365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
7月24日はドモン・カッシュの誕生日。本日読むべきマンガは……。
『超級! 機動武闘伝Gガンダム』第1巻
矢立肇/富野由悠季(作) 島本和彦(画) 今川泰宏(脚) KADOKAWA ¥580+税
7月24日は『機動武闘伝Gガンダム』の主人公であるドモン・カッシュの誕生日。
……といっても、これは関連書籍などのプロフィールに記されているにすぎないデータであり、本編にその設定がいかされることはないため、それだけならわざわざピックアップすることもなかったかもしれないのだが、この日は『Gガンダム』で総監督を務めた今川泰宏の誕生日でもある。
そうなるともう、7月24日は「Gガンダムデー」として盛り上げるしかありません!
思い返せば『Gガンダム』は、富野由悠季の手を離れて作られた初のガンダムにして、いまだ異端の極致に立つ作品。
それまでのガンダムからは考えられなかった世界観や作風は、当初は旧来のファンから「こんなのガンダムじゃない!」といった猛反発をくらったこともあったが、ドモン・カッシュたちの個性あふれるキャラクター、そして今川監督の熱い演出によって、次第に評価が好転。
さらに、ガンダムとしては新たなファン層の獲得にも成功し、今やシリーズ屈指の人気作として数えられると言ってもいいだろう。
極端なまでに斬新すぎるガンダム観を見せつけた本作の成功が、後のシリーズにどれほどの広がりをもたらしたかは想像にかたくないことである。
そして本日取りあげるマンガは、放送当時からいくつかのコミカライズ作品は存在するものの、やはりここは島本和彦とビッグバンプロジェクトの手がける『超級! 機動武闘伝Gガンダム』シリーズを推しておきたい。
もとより島本和彦はテレビシリーズでもキャラクターデザインに協力していたうえ、脚本を担当するのがほかならぬ今川泰宏と完璧すぎる布陣の本作は、まさに『Gガンダム』コミカライズの決定版。
テレビでは描ききれなかったところまであまさず描ききることを目ざしてスタートした本作は、ドモン・カッシュのキャラクターがコミカル寄りになっているものの、ストーリーそのものの熱さはオリジナル以上!
作品本来の持つ熱量に、島本和彦のソウルが過剰反応し、月刊ペースでありながら毎回100ページ前後が掲載されるという連載スタイルからして常軌を逸している気もするが、過剰に燃えてこそ『Gガンダム』である!
現在、連載では「最終決戦編」に突入。ドモン・カッシュが勝利をつかむまで、読者としても熱いまなざしで見守り続けたい。
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。