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『ぐりこカミングスーン』 第1巻 赤堀君 【日刊マンガガイド】

2016/08/05


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ぐりこカミングスーン』


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『ぐりこカミングスーン』 第1巻
赤堀君 小学館 ¥552+税
(2016年7月12日発売)


つぶらな瞳の4歳児・誠司と無職の父が繰り広げるシュールな日常会話ギャグ『ドーナツ父さん』でジワジワと注目を集めていた「赤堀君」の新連載。

ロックスターを目指す“ひーくん”こと、光シャイニングを100年にひとりの天才だと信じ、彼を支えるため、こっそりアイドルのバイトをしている“ぐり子”。
でもじつは、そんなぐり子のほうこそが100年にひとりの天才アイドルだった……!?

ひーくんのためにいやいやアイドルになったはずが、天性の才能を発揮し、どんどん人気者に…という設定は、アイドル版『デトロイトメタルシティ』といった趣きもあるが、普段は三つ編みメガネのさえない女の子が、ステージに上がれば最強キュートなスーパーアイドルに…というギャップ、あくまでひーくんにピュアな思いをささげるぐり子のいちずさには、男子ならずともグッとくること間違いナシ。

ひーくんの天然アーティストキャラがまた最高。ツイッタ―のフォロワーもライブの客も現時点ではぐり子ただひとりという不遇にありながら、じつはどうやら才能がまったくないわけでもなさそうで…。
ぐり子をを愛し、不器用だがまっすぐに己のロックを貫く姿に、思わず応援したくなる!

アパートの管理人の女子高生、ぐり子のマネージャー、ひーくんの元バンド仲間で今や日本を代表するロックバンドのボーカリスト……など、この愛すべきバカップルを取りまく人間模様も楽しく、次巻からはいよいよ大きく物語が動きだしそうな予感。

著者ならではのシュールなギャグセンスと、王道のアイドル&ロックスター・アドベンチャーが絶妙なバランスで融合した、ありそうでなかった一作だ。



<文・井口啓子>
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて「おんな漫遊記」連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69

単行本情報

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