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8月2日は「カレーうどんの日」 『ホクサイと飯』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/08/02


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

8月2日はカレーうどんの日。本日読むべきマンガは……。


HOKUSAItoMESHI_s

『ホクサイと飯』
鈴木小波 KADOKAWA ¥620+税


8月2日は「カレーうどん」の日。

「カレーうどんの日」は、カレーうどんが全国に浸透してから100周年となる2010年に、「カレーうどん100年革新プロジェクト」が制定したもの。
ではなぜ「カレーうどんの日」が8月2日なのかといえば、6月2日が「カレーの日」(日本に初めてカレーが伝来した横浜港の開港記念日にあわせて)、7月2日が「うどんの日」(半夏生(はんげしょう)のこの日にうどんを食べる風習があり、"うどんの国"香川県の製麺事業協同組合が1980年に制定)だから。
高い知名度を誇りながらも食べる頻度の少ないカレーうどんに記念日を制定することで食べる機会を増やそうという狙いで、この日になったという。

そんな8月2日におススメしたいのが、『ホクサイと飯』だ。

『ホクサイと飯』は売れない女性漫画家・山田ブンの日常と、日々の喜びであるご馳走の数々を描く自炊系料理マンガ。
タイトルにもあるホクサイとは、ブンが常に身近に置いているぬいぐるみで、ブンに語りかけたり、時に容赦のないツッコミを入れてきたりする。

多くの漫画家の例に漏れず、時間に追われる生活を送っているブン。
しかしおいしいごはんを食べることに重きを置いているブンは、たとえ締め切りが4時間後に迫ろうとも、豆腐とワカメ(しかも生)の味噌汁、サバの一夜干し、お新香、玉子焼き、さらに弱火で煮こんだ手作りののりの佃煮という「THE 日本の朝食」をついつい作ってしまう。
こういうのは試験勉強前にやたらと部屋の掃除がはかどってしまうのに近いかもしれない。

登場する料理は、のりの佃煮、ぶっかけそば、栗ご飯、お雑煮、干柿大福、カツオ料理などなど。
高級食材をふんだんに使うようなグルメ志向のマンガではなく、ほんの少しのこだわりと手間をかけてやることで日常のごはんをよりおいしくより楽しく味わおう、というのがモットー。

本日のテーマのカレーうどんは「七食目」で登場。
ブンは心のなかに自炊規定を設けていて、「野菜、タンパク質、炭水化物の食材を入れる」ことを第一条に掲げていた。
しかし仕事が忙しく、連日の引きこもり生活で手元の食材は乏しい。ブンは手元にある材料から、カレーうどんを作ることを決定する。単行本に登場する料理のなかでもかなりの悪条件下で作られたのがカレーうどんなのだ。

ベースとなるのは「マルちゃんカレーうどん」。1966年に発売された袋麺のロングセラーだ。なんと誕生から50年!
お湯を張った土鍋にスパム半缶と玉ねぎ一玉を入れ、カレーうどんの粉末を投入。
さらに市販のスパイスを追加。具にカレーの味を染みこませるため20分煮こむ。
煮えたら麺を投入してさらに5分煮こみ、最後に豆もやしを乗せる。

もやしのシャキシャキと豆のコリコリが一度に楽しめる豆もやし。ブンはこんな時のために栽培していたのだ!
……が、自家製豆もやしは腐り果てていた。麺がゆであがるまで残された時間はわずか5分。どうするブン!?
と、食事に振り回されるブンの日常が基本ゆるく、時にサスペンスフルに描きだされる。

続編の『ホクサイと飯さえあれば』でもあいかわらず順調においしいご飯を作りまくり、食べまくり、仕事に追われまくっているのでご安心を。

あー、カレーうどん食いてー。


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<文・秋山哲茂>
フリーの編集・ライター。怪獣とマンガとSF好き。主な著書に『ウルトラ博物館』『ドラえもん深読みガイド』(小学館)、『藤子・F・不二雄キャラクターズ Fグッズ大行進!』(徳間書店)など。4コマ雑誌を読みながら風呂につかるのが喜びのチャンピオン紳士(見習い)。

単行本情報

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