日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『青春はゾンビでした』
『青春はゾンビでした』 第1巻
えばんふみ 集英社 ¥419+税
(2016年7月25日発売)
「青春ゾンビ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
10代、学生時代に青春を謳歌することなく、悔いを残した “生ける屍”になってしまった人を指すという。
ヒロインの幸村梓はまさにその典型!?
親しい友人もなくもちろん恋の経験もなくマンガを描くことに打ちこんできて……その結果、いちおう少女漫画家としてデビューできたもののその先はイバラの道だった!
恋愛経験がないために主人公の感情表現に難アリで、ネームを出してもボツばかり。漫画家として崖っぷちに立った梓は、少女マンガに必須の“ときめき”を感じようとがんばり始める!
バイト先である書店の店長、偶然会った高校の同級生男子、そして担当編集さん……周囲を見わたせば恋のお相手になりそうな人、けっこういるじゃない!?
原稿用紙に向かえば身なりにかまっちゃいられない――オシャレとは無縁だが、まじめで誠実な梓のキャラクターが好感度大!
梓がふとした時に覚えるときめきの瞬間に共感しつつ、素直に応援したくなる作品だ。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」