365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
9月23日は海王星が発見された日。本日読むべきマンガは……。
『うる星やつら 新装版』 第2巻
高橋留美子 小学館 ¥390+税
(2006年11月17日発売)
本日9月23日は、海王星の発見された日だ。
海王星は、1613年に天文学の父ことガリレオ・ガリレイによって観測された。
だが、当時は望遠鏡の性能など、様々な問題から惑星としては認識されておらず、その後、1846年9月23日のベルリン天文台にてヨハン・ゴットフリート・ガレとハインリヒ・ダレストによって発見される。
今回は、そんな海王星の住人である、マンガ『うる星やつら』に登場するキャラクター・おユキを紹介したい。
ガールハントのことばかり考えている主人公・諸星あたるといつもドタバタを繰り広げているメインヒロイン・ラムの幼なじみであるおユキさんは、雪女であり、海王星の女王だ。
彼女は表面上は上品で物静かな性格だが、そのじつ非常にお金にシビアで、何が起きても自分さえ無事ならばいいという冷血かつマイペースな性格(母校の惑星中学校では同級生であるラム、弁天と共に伝説のスケ番と呼ばれている)。
初登場時のエピソードでも、海王星から主人公・諸星あたるの自室へと繋がる異次元トンネルを開いて海王星にたまった雪を大量投棄するという、マイペースぶりを炸裂させ、登場以後はほかのキャラと同様に、幾度となく珍事を起こしてあたるたちを巻きこんでいく。
ちなみに、おユキさんの住んでいる海王星は、太陽から距離が離れているため、表面温度はおよそマイナス220度と、まさに雪女にうってつけな環境だ。
フィクション世界において、海王星はほかの太陽系惑星ほどのはなばなしい扱いはされておらず、おユキさんや、『美少女戦士セーラームーン』の海王みちる=セーラーネプチューンなどはいるものの、海王星に関連したキャラは決して多くはない。
マンガとは関係ないが、グスターヴ・ホルストによる組曲「惑星」では、他の楽曲の影に隠れがちなものの、海王星は神秘的な雰囲気でラストを飾っている。
地味ながら要所要所で存在感を発揮するのが、昔からの海王星の立ち位置……といえるのかもしれない。
<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
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