日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『磯部磯兵衛物語 ～浮世はつらいよ～』

『磯部磯兵衛物語 ～浮世はつらいよ～』 第11巻
仲間りょう 集英社 ￥400+税
（2016年8月4日発売）

豆アニメでもなじみの深い本作『磯部磯兵衛物語 ～浮世はつらいよ～』。
舞台化などマルチメディア展開も好評の、浮世絵風（？）ダメダメ武家少年ギャグマンガに第11巻が登場だ。

目標とする「立派な武士」とはかけ離れた、だらけた日々を邁進する磯部磯兵衛も、誕生日を迎えて大人の階段をのぼると思いきや……。親友・中島の献身的なサポートの甲斐もなく、せっせとセルフプロデュースした誕生日で貧弱メンタルを凹ませてしまう。

そんなあいも変わらぬ日々は、孫娘に取り憑いた北斎のトンデモ画力に翻弄されたり、団子屋の看板娘に袖にされたりと、なかなか磯兵衛の思いどおりにはならない。

……が！　そんな磯部兵衛に千載一遇のチャンス到来！
徳川十五兄妹主催の「こどもチャンバラ大会」で優勝すれば、大名に取りたてられるというのだ。
磯部流と称してだましだまし飼い慣らしてきた、近所の子どもたちをダシに出場する磯兵衛。
はたして今度こそ武士の階段をのぼることができるのか!?

くすりと笑える皮肉交じりのゆる武士ギャグで、現代競争社会の疲れをいやしてもらうべし！

＜文・沼田理（東京03製作）＞
マンガにアニメ、ゲームやミリタリー系などサブカルネタを中心に、趣味と実益を兼ねた業務を行う編集ライター。