『王様ゲーム 終極』第5巻
金沢伸明(作) 栗山廉士(画) 双葉社 \600+税
(2014年7月22日発売)
深夜0時ちょうどに届いた、1通のメール。その本文に書かれていたのは、24時間以内に命令に従わなければ罰を与えるという内容で、送信者は“王様”。
メールを受け取った32名のクラスメイトたちは、当初は遊び感覚でいたが、命令に従わなかった者に本当に罰が下されたことで、文字どおり死に物狂いで、ゲームに参加することになる……。
ここまでは、シリーズ前作『王様ゲーム』の概要。本作『終極』は、前作のゲームで唯一の生き残りだった金沢伸明が、転校先で再び「王様ゲーム」へ参加するところから始まる。
参加の目的は、王様を見つけだして復讐をするため。前作では、身勝手さや弱さを見せていた伸明だったが、「王様ゲーム」に参加したことで仲間の死、そして人の温かさをまのあたりにしたことで、彼は強く勇ましく変わった。
しかしゲームのなか、当初は明るく仲間思いだった本多奈津子が豹変。皆で力を合わせようとする伸明をおとしいれて孤立させたうえ、クラスメイトを次々と死に追いやっていく。
そして、ラストに待つものは!?
人気ケータイ小説シリーズのマンガ化ということで、そのプロットと内容は保障済み。ラストで語られる"王様"の正体と、ゲームの終了方法など、驚愕のどんでん返しにうならされるはずだ。
劇画的なドラマチックさを持ちながらキャラ萌え可能な、栗山廉士の作画も絶妙。
怒涛と衝撃の「王様ゲーム」に、ぜひ本作からでも参加を!
<文・渡辺水央>
マンガ・映画・アニメライター。編集を務める映画誌「ぴあMovie Special 2014 Summer」が発売中。DVD&Blu-ray『一週間フレンズ。』ブックレットも手掛けています。