日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『まんが倶楽部』
『まんが倶楽部』 第1巻
さくらももこ 集英社 ¥600+税
(2016年10月19日発売)
四角い顔で描かれた「まるちゃん」ならぬ「しかちゃん」がナビゲートする。
あの国民的マンガをそこはかとなく彷彿させる、少年ウヒィとお友だちチョロパーの呑気な山暮らしの日々を描いた「ツーピース」、しっかりしない見習いの男の子の物語「ちゃんと☆せいや」、ボケッとしたサルのお話「ボケモン」、根性なしのカエルの話「根性なしガエル」って……。
タイトルはおろか、内容もヒネリなし、オチなし。
パロディにすらなってない、シュールで寒すぎるエピソードの数々に、なんでまた……と謎は深まるばかり。
「まんが愛」や「遊び心」をうたっているし、きっとそれらを感じられるはず。しかしながらこれがあのさくらももこのダークサイド! なのかについては、人によって評価はわかれるかも?
とりあえず、読む者の精神を不安定にさせる破壊力はアリ!
<文・井口啓子>
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて「おんな漫遊記」連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69