365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
11月18日は土木の日。本日読むべきマンガは……。
『ドボジョ!』 第1巻
松本小夢 講談社 ¥419+税
11月18日は「土木の日」。
まず「土」「木」をそれぞれ分解すると、漢数字の「十一」「十八」となること。
それに公益社団法人土木学会の前身である「工学会」の創立が明治12年11月18日ということもあって、きょうを記念日と制定したとのことだ。
土木関係は体力や筋力が必要な仕事が多く、男性が大半を占める業界だ。
とはいえ最近は土木を志す女性も増え、彼女たちは「土木女子」「ドボジョ」と呼ばれて注目を集めている。
そこで今日ご紹介するコミックは、タイトルもそのものずばり『ドボジョ!』。
憧れの土木業界に飛びこんだ女子のお話である。
ニッカポッカに安全靴。
子どもの頃から憧れていた出で立ちで、ついに待望の土木作業に携わることになった桜子。
(長身ゆえ、その格好ではほぼイケメン男子と間違われてしまうのだが……)
しかも彼女は、自分の職業をとある場所では伏せなければならないというワケありの立場なのである。
そんな桜子の前に現れたのは、泉秀鋼材に務める小石川嵐。
作業現場でケガをしそうになった嵐を助けたことが縁となり、無口な2人は徐々に親しんでいくが――。
こうしてあらすじにすると、一見普通の少女マンガ的なラブストーリーに思えるが、決してそうではない。
桜子の容姿や生い立ちに加えて嵐のほうにもいろいろと事情があり、スルスル恋愛が進むわけではないのだ。
しかし、そのぎこちなさもまたドボジョの魅力。
仕事を愛し、家族を心から大事に想う優しい2人が、一日一日をしっかり生き抜いて少しずつ心を通わせていく。
読むとあたたかな気持ちになれること間違いなしの1冊だ。
さりげなくちりばめられた専門用語、そして土木業界らしいエピソードも多々あって、読み終える頃にはきっと土木の世界に親しめるはず。
ぜひご一読のほど。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」