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11月20日は「世界子どもの日」 『こどものおもちゃ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/11/20


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

11月20日は世界子どもの日。本日読むべきマンガは……。


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『こどものおもちゃ』 第1巻
小花美穂 集英社 ¥361+税


11月20日、今日は「世界子どもの日」だ。国連総会で、「子どもの権利条約」が採択されたことを祝して制定されたそうな。

「子ども」と名のつく日には、やっぱり読みたい『こどものおもちゃ』。

『こどものおもちゃ』は、大人になったからこそ読み返したい少女マンガ第1位!
だって内容がヘビーなのだ。子どもの頃読むのと、大人になってから読むのとでは、大きく印象が変わるはず。

主人公のチャイドル・紗南と、ひねくれ者の問題児・羽山は、ともに複雑な生い立ちを背負う。

生まれてきたことを祝福してもらえなかった。大切な人に受けいれてもらえなかった。恋をすることで、また別のだれかを傷つけてしまった。そういう苦しみが、惜しげもなく描かれている。
生々しいストーリーは、「恋をして楽しい!」のその先の世界に何があるのか、目を開かせてくれた。

いつしか2人は惹かれあうが、2人の恋は、キラキラしているだけじゃない。
お互いに、相手がいなければ自分が保てなくなるほどに、苦しい恋をしている。

『こどちゃ』から、「人生はいいことばかりじゃない」と学んだ。だけど「憎たらしいあいつだって、いろんな事情を背負いながら生きている」ことも知った。

人は、それぞれの立場から、その人なりにものを考えて生きている。
自分を苦しめる人のことを、単に悪者と責めることができないのは苦しくて、悲しい。
だけど、その感情を乗り越える方法を、紗南と羽山は示した。

自分が苦しんだぶん、ほかのだれかの助けになりたい。
物語のラスト、2人はその意思を行動に移してみせる。

まだ中学生のキャラクターたちの強い生き方に、心惹かれずにはいられないのである。



<文・片山幸子>
編集者。福岡県生まれ。マンガは、読むのも、記事を書くのも、とっても楽しいです。

単行本情報

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