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『僕はコーヒーがのめない』 第6巻 福田幸江(作) 吉城モカ(画) 川島良彰(コーヒーハンター)(監) 【日刊マンガガイド】

2016/11/24


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『僕はコーヒーがのめない』


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『僕はコーヒーがのめない』 第6巻
福田幸江(作) 吉城モカ(画) 川島良彰(コーヒーハンター)(監) 小学館 ¥552+税
(2016年10月28日発売)


次巻での完結がアナウンスされている、コーヒー薀蓄マンガ『僕はコーヒーが飲めない』。
最近、スペシャルティコーヒーだとかサードウェーブなどで巷を騒がせていたコーヒーの文化について、わかりやすく紹介している。

内気だがコーヒーへの造詣が深い主人公の太一、太一とともに勤め先の社運をかけた「王様コーヒー」プロジェクトを推進する上司の加賀谷、伝説的な喫茶店マスターの娘で太一のライバルになる未梨……徐々に増える登場キャラクターに、とうとう太一の父親である大吉が加わる。
『美味しんぼ』ばりの親子バトルになるかと思いきや、拍子抜けするほどに太一と大吉は仲がよい。
太一と違って押し出しの強い大吉だが、太一に協力的だからこのまま順風満帆? とはいかなそうなのが憎いところ。

大吉は、コーヒーに欠かせない焙煎をする「焙煎士」。
これまでの話で紹介されてきた、豆の生産者や、未梨のような実際にコーヒーを淹れるバリスタと同じくらい重要なのが焙煎士だ。その重要な助っ人なのだが、その焙煎スタイルはサードウェーブ的、いわゆる浅煎り。
太一たちが見出したハワイのコナコーヒーとそのスタイルの相性はいかなるものか?
次巻で完結なのに、そんなひと波乱起こしてしまって大丈夫なの!?

でも今回の巻でようやく、太一が選んだ生産者の豆が、太一たちによって焙煎される。
煎りたて淹れたてのカップを味わう太一たちが、思わずコナの農場でコーヒーの木がざわめくのをイメージするシーンは爽快だ。

太一と大吉によるコーヒー焙煎の紹介もあるので、生豆を仕入れて焙煎をやってみたい人にも参考になるはず。
お気に入りのコーヒーを用意して読んでみてほしい。



<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
Twitter:@nnnnnnnnnnn
Twitter:@n11books

単行本情報

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