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『弁天ぼたん』 第1巻 再田ニカ 【日刊マンガガイド】

2016/12/06


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『弁天ぼたん』


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『弁天ぼたん』 第1巻
再田ニカ 小学館 ¥552+税
(2016年11月11日発売)


生まれは日本、育ちは天竺(インドの奥地)の弁天島牡丹(べんてんじま・ぼたん)。
長身の美人、非常に目立つ。
彼女が憧れているのは「スケバン」。
母親曰く「たくましく生きてみな。日本のスケバンみてぇに、強くまっつぐに」
日本に戻ることになった彼女は、スケバンを目ざして気合を入れる。

……といっても、今の時代スケバンなんているわけがない。
彼女の言うスケバンは、「不良」ではない。強い人間だ。
だから勉学にも励んでいるし、スポーツもできる。
完璧超人というよりも、努力の人だ。

彼女が通うことになった学校はお嬢様校。なんでもこなせて美人な牡丹はモテモテ。
「なんか私たちとは、違う星から来たみたい」
ほめられているのだが、牡丹はあまりうれしくない。
トップになりたいのではなく、荒波にもまれて闘い、オンナを上げたい。
強いスケバンに会いたい。力だめしや修行に近い。

唯一作中で登場する、いかにもスケバン(本人は否定しているが)なリーゼント少女、ミドリ。
仲間を見捨てず、腕っぷしが強い彼女を、牡丹は「大和撫子」と呼んでリスペクトする。

同じクラスにいる、メガネでおさげ、おとなしい松風すみれ。
彼女は小さく、とてもケンカするようなタイプではない。しかしある信念を貫いている。
それを見て、牡丹はすみれのことを「すっげぇ強ぇ」という。

牡丹の考える強さは、心にある。
彼女がたびたび口にする「まっつぐ(まっすぐ、ではない)」。
説明はないが、この意味はマンガを読めば一発でわかるはず。

常に直球勝負。さわやかなスケバンマンガだ。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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