日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『小5な彼女とオトナの愛』
『小5な彼女とオトナの愛』 第1巻
裕時悠示(作) 睦茸(画) スクウェア・エニックス ¥581+税
(2016年12月24日発売)
金髪小5のキャロリン・プリマロロ(キャロ)。英国人。ものすごくおませな女の子。
同居しているお兄ちゃんは、25歳の結城小太郎。
キャロリンは、小太郎のことが、大好き。
でも自分はまだ子ども……早くオトナになって、お兄ちゃんに振り向いてもらいたい。
ある日、彼女のもとに超絶ボインバインな、自分に面影が似た女性が現れる。
彼女の名前はアイ。キャロリンにいう。
「あなたとお兄ちゃんの娘だよっ」
2人が結婚しないと自分が生まれなくなってしまうため、助力に来たという。
キャロリンが考えるオトナは、アイのように胸が大きく背が高い姿形のことだ。
だがアイの行動はものすごく幼い。考えて動くキャロリンよりはるかに、行動が幼稚だ。
一方小太郎は、すべてだれかのための行動をとる。
ちょっとトンチンカンなところもあるが、結果身を粉にして、みんなを救っている。
特にキャロリンに対しては顕著。
がんばり屋の彼女は、たびたびトラブルに見舞われる。
特にバトン部では悲しすぎる目にあってしまう。
それでも、一生懸命できることをやろうとするキャロリン。
小太郎はキャロリンが困った時は、絶対にかけつける。
多くは語らない。ただ彼女を応援する。
「大人」とはなにかを問う。
小太郎の、だれにも迷惑をかけず、だれをも助け、大切な人であるキャロリンを守り続ける姿は、非常に大人だ。
タイトルが「愛」となっているのもポイントだ。
キャロリンの思いは、憧れ。小太郎にモーションをかける女子高生・千鶴の思いは、恋。
アイの愛は、家族愛。小太郎のアガペーは、広く深い。
正直、惚れます。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」