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『ガイコツ書店員 本田さん』 第2巻 本田 【日刊マンガガイド】

2017/01/22


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ガイコツ書店員 本田さん』


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『ガイコツ書店員 本田さん』 第2巻
本田 KADOKAWA ¥550+税
(2016年12月24日発売)


『このマンガがすごい! 2017』にもランクインした、書店を舞台にしたお仕事マンガ『ガイコツ書店員 本田さん』。その第2巻が、2016年の12月に出版された。

『ガイコツ書店員~』は、自画像がガイコツの書店員・本田さんの仕事ぶりを描いたお仕事マンガ。本田さんは、個性的な上司・先輩・同僚たち――彼ら(彼女たち)もペストマスク係長、御狐先輩といった独特な外観で描かれる――とともに、店頭での接客に、バックヤードでの業務にと奮闘するのである。

第2巻では、魔法のように本を集めてくる「魔術師係長」という新キャラクターが登場したり、本田さんが初めて漫画家の「サイン本」作りを担当したり、外国人をはじめとする個性的なお客さんの接遇に悩まされたりと、バタバタしながらも楽しげな職場の様子が描かれる。

だが、なんといっても第2巻でのヤマ場は、本田さんが、同じ書店員から「『ムシの良いことばっか描きやがって』って思ってます」という厳しい感想を聞かせられる場面だろう。
本田さんに噛みついた書店員はいう。
「客の愚痴とか 版元のムカツク話とか
 現実には山ほどあるし もっともっと現場は大変なんですよ」
これもまた事実であろうし、本田さんの身辺でも「おもしろいこと」ばかりが、あるわけでもないだろう。それをそう感じさせず、笑いに昇華させているところが、本田さんのスキルだと思う。

ちなみに、『ガイコツ書店員~』は、ある時期から職場の上司が事前にネームチェックをするようになっているらしい(その点は、著者自身も表現者として忸怩たるものがあるようだ)。
だが、たとえそうした制約つきであったとしても、現役の書店員さんが、書店の実態を発信してくれるのは、本好きな(マンガ好きな)我々にとって、すごくうれしいことなのだ。

がんばれ本田さん。今年の夏か秋に発売される……であろう第3巻、楽しみにしています。



<文・廣澤吉泰>
ミステリマンガ研究家。現在発売中の「ミステリマガジン」1月号(早川書房)に、2016年のミステリコミックの総括を執筆。また、同誌のコミック評では、池田邦彦『グランドステーション ~上野駅鉄道公安室日常~』を紹介しています。

単行本情報

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