『ライアー×ライアー』第6巻
金田一蓮十郎 講談社 \429+税
(2014年8月12日発売)
きょうだいによる恋愛マンガは蜜の味。それにしても女子大生の姉がJKになりすまして、義理の弟と恋人関係になっちゃうなんて!? 禁断のテーマをコメディタッチでさばく本作は、今もっとも新刊が待ちどおしいマンガのひとつだ。
女子大生の湊が、女子高生に変装中に街で義理の弟・透に遭遇してしまったのがすべての発端“みな”と名乗った湊に透は本気で恋してしまい……“女子高生のみな”と透はつきあうことに。
真の愛(?)に目覚めてから透の性格は丸くなって、これまで最悪だったきょうだい仲は良好になる。とはいえそれもよしあしで……きょうだい関係が氷塊していなければ、透も湊の所属する大学のサークルに参加する気にならなかったはず。“姉”としては人を寄せつけないタイプの“弟”が仲間を得るのはうれしい一方、湊の立場はより過酷になっていく。なにしろサークルには、唯一この“二重生活”の事情を知る湊の元カレがいるのだから!
気疲れのあまり卒倒しそうな混乱状況のなか「これ以上嘘を重ねていくことはできない」と、湊は思い悩む。
しかし、本当はどれが嘘なのだろう? 湊が本当で、みなは嘘なのか? 嘘はもちろんよくないけれど、「嘘から出たまこと」という言葉もある。
この複雑怪奇な恋愛劇、いましばらく迷走を続けそうだが、願わくばハッピーな結末を迎えますように!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」