日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『手裏拳トンマ』
『手裏拳トンマ』 第2巻
樫本学ヴ 小学館 ¥429+税
(2017年1月27日発売)
86年のデビュー以来「月刊コロコロコミック」ひとすじ!
『がってん太助』、『学級王ヤマザキ』、『コロッケ!』、『ぼくはガリレオ』などのヒット作を生み出し、2016年に画業30周年を迎えたカッシーこと樫本学ヴ先生は今も「コロコロ」で活躍中だ。
そもそも筆者は樫本先生のデビュー時には「コロコロ」を読んでいるはずもない大人だったのだが……ふとチェックした『学級王ヤマザキ』のおもしろさ、その勢いに目からウロコ。
これだから児童向けマンガ、ナメちゃいかんのよと肝に銘じた瞬間でもあった。
さて、最新作『手裏拳トンマ』は、「手裏拳」なるアイテムを使う“目賀流”忍者・トンマのアクションバトル×ギャグ。
自分が仕えるべき殿を探しに、里を出て町にやって来たトンマは、小学5年の殿田洋に遭遇。
「とのだよう」と名乗った彼に、トンマはさっそく殿に会えたと大喜び。
不審がる洋を「殿」と呼び、勝手に仕えるうちに友情が生まれて……。
しかし、そこここに手裏拳を狙う敵がいっぱい。
「殿」との楽しい日常のなか、マジなバトルが勃発……もちろんTPO無視で展開するギャグもてんこ盛り。第2巻では、宿敵“破王ザギ”に命を奪われた父上が1日だけこの世に転生、泣かせる父子のエピソードも。
キラキラのまっすぐな眼差し、てらいのない熱血、理屈なんか関係ないド派手な大技。
いい大人の皆さんも初心にかえって、現在進行形のカッシーのマンガを読んでみてはいかが!?
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」