365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
2月21日は漱石の日。本日読むべきマンガは……。
『漱石とはずがたり』 第1巻
香日ゆら KADOKAWA ¥714+税
本日、2月21日は「漱石の日」。
1911年のこの日、当時の文部省が夏目漱石の功績をたたえ「文学博士」の称号を贈ろうとした日だ。
なぜ「贈ろうとした」なのかというと、漱石がこれを辞退したから。
「自分に肩書は必要ない」と辞退するあたり、さすが漱石である。
そもそも漱石という人は、非常に頑固者で知られている。
これまでに数多くの名作を残しつつも、その人間性も大いに注目されている大文豪だ。
それゆえに、いまだ漱石にハマってしまう人は少なくない。
『漱石とはずがたり』の著者・香日ゆらさんもそのひとり。漱石を主人公にした『先生と僕~夏目漱石を囲む人々~』では、史実をもとに彼がいかに周囲の人物から愛される人間だったのかを4コママンガとして発表した。
しかし、4コママンガという形式上、どうしても入れられないネタがある。
それをコミックエッセイ形式にまとめたのが、この『漱石とはずがたり』なのだ。
本作は、香日さんと担当編集者が漱石について語りあう形式で展開される。
漱石の写真にまつわるトリビア、天然痘にかかってしまったことで顔に残ったあばた、手紙から浮き彫りになる意外な一面……。
そのどれもがコアなネタすぎて、香日さんの漱石愛に言葉を失ってしまうかもしれない。
ちなみに、これまでに漱石にいっさい触れてこなかった人へのオススメは「書簡集」なんだとか。
数々の名作を読むのは当然として、この書簡集こそが漱石の人柄を知るにうってつけだという。
ぜひ、「漱石の日」を機に、彼が残した作品に触れてみてほしい。
<文・五十嵐 大>
'83年生まれの、引きこもり系フリーライター。デスゲーム系やバトルもの、胸キュン必至の恋愛マンガやBLまで嗜む、マンガ好きです。マイブームは、マンガ飯の再現。