日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『海めし物語』
『海めし物語』 第1巻
高田サンコ 講談社 ¥602+税
(2017年2月6日発売)
『たべるダケ』の高田サンコの新連載。
またグルメマンガか……と思ってしまいそうだが、こちらは「海めし」限定。
偏食家の美人スチュワーデス・赤桐珠子と栄養士なのにポッチャリの白玉沙奈々。
一見、共通点のないようでパチンコという共通の趣味でつながった2人が念願の“旅打ち”(旅行先でパチンコを楽しむこと)の先々で、ご当地漁師めしに舌鼓を打つという一風変わった趣向がおもしろい。
刺身はもちろん、モツ煮込みから皮の煮こごりまで新鮮だからこそ余すところなく楽しめる、三崎港のマグロ。脂の乗りまくった銚子の入梅イワシ、旨味たっぷりの新潟のノドグロ、超絶ミルキーな鳥取の岩ガキ……などなど、そこに行かなきゃ食べられないそそられる魚料理の数々は、魚より肉派も思わず生唾ゴクリ。今すぐ食べに出かけたくなる!
2人がパチ好きという設定だけに、おいしさMAXなシーンでは、バックに魚群が登場したり、魚キャラが3つ揃ってフィーバーがかかったりするのもご愛嬌。
著者による現地取材の裏話コラムも楽しく、旅情をくすぐられる。
まだまだ未知の漁師めしが登場することを期待して、次巻を待ちたい。
<文・井口啓子>
ライター。月刊「ミーツ・リージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて「おんな漫遊記」連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69