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『先生ごめんなさい』 第1巻 黒澤R 【日刊マンガガイド】

2017/03/17


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『先生ごめんなさい』


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『先生ごめんなさい』 第1巻
黒澤R 双葉社 ¥620+税
(2017年2月21日発売)


『復讐の未亡人』をスマッシュヒットさせた黒澤Rの最新作。
「僕が…その人を殺そうと思った理由…?」という不穏なモノローグから始まる物語は、読めば読むほど「?」が増えていく魅惑的なミステリーだ。

とある田舎町の古い一軒家に引っ越してきた3人家族、岩本清&ゆずの若カップルと事故による後遺症を抱える清の父・巡一。
引っ越し当日、屋根裏部屋を掃除しようとしたゆずは、小学生の男の子を発見する。
「俺の家だ」と言い張るその男の子の名前は、ほたる。
どうやら母親は借金を残して失踪してしまったらしい。
そのまま岩本家とほたるの奇妙な同居生活が始まる。

昨年3月に創刊されたオール描きおろし月刊電子マンガ誌「毒りんごcomic」の創刊号からVol.8までの連載分(第1話~第8話まで)が収録されているが、話が動いているように見えて、じつはひとつも前に進んでいない感もある。

明るくハツラツとした元気娘・ゆずには裏の顔があり、清ともマトモな関係ではなく、義父・巡一とも過去に因縁があるようだが、現時点では少しばかりのヒントが与えられているにすぎない。

読者目線となるのは部外者のほたるだが、冒頭の「僕が…」は彼のモノローグと思われ、いずれ主要人物のだれか(その人)に殺意を抱く展開となりそう。
得体のしれないヒロイン・ゆずは過去に何をしたのか?
そして何をしようとしているのか?
タイトルが持つ本当の意味も含めて、様々な謎がひもとかれていくのは、次巻以降に持越しだ(あー、早く続きを読みたい!)。



<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。

単行本情報

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