365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
3月6日は非行少女白書が報告された日。本日読むべきマンガは……。
『スケバン刑事』 第1巻
和田慎二 KADOKAWA ¥667+税
1975(昭和50)年の3月6日は、警察庁が「非行少女白書」を国家公安委員会に報告した日である。
戦後の復興を経て、高度経済成長期に“不良”が増加。
かつて少年が非行に走る理由は家庭の問題、貧困が主であったが、社会状況が変化するにつれてきっかけも多様化する。激化する受験戦争への反抗、退屈な日常を忘れるための暴走行為、興味本位の少女売春……。
チリチリパーマに濃いメイク、セーラー服のスカートをひきずるほど長くした“スケバン”がリアルに存在した頃。『スケバン刑事』は75年にスタートした、和田慎二の代表作である。
ヒロイン・麻宮サキは、不幸な家庭環境に育ち心に傷を持った少女。
一匹狼のスケバンである彼女は少年院に拘留中、警察が介入しにくい学校内の事件を捜査する刑事としての特命を受ける。彼女は、そのトラウマのもとである母親の処遇についての条件で揺さぶりをかけられ、しぶしぶ引き受けることに……。
学校という社会からははみ出してしまう存在ながら、心根はまっすぐで、曲がったことを嫌うサキは姉御肌な性格で、彼女を慕う者も多い。
もちろんサキの魅力といえば、無敵の強さ。警視庁特製の、鉛をしこんだ桜の代紋入りの(これは警察手帳がわりでもある)ヨーヨーを操り、悪をなぎ倒すアクションシーンにもシビレた! 彼女と捜査をともにする私立探偵・神恭一郎に加え、サキを見守る沼先生も隠れた人気キャラ!?
連載終了後の85~87年にかけて放映された実写ドラマも大人気を博したが、原作を読んでいない人も多いのでは。
学園内の犯罪、少年院を舞台にしたエピソードに加え、政界の大物が絡むスケールの大きい事件も読みごたえ満点。
大長編ではあるが、ぜひサキが卒業式を迎える感動のラストまで読んでほしい!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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