365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
3月17日はショパンがピアニストデビューした日。本日読むべきマンガは……。
『僕のショパン』 第1巻
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1830年3月17日、フレデリック・ショパンがワルシャワ国立劇場で正式なピアニストデビューを果たした。
少年時代からワルシャワ最高のピアニストといわれていたショパンが、この成功を経て西ヨーロッパへ活躍の場を広げていくことになる。
そしてその頃、「エチュード(練習曲)」の作曲も始めていたショパン。
なかでも「別れの曲」、「革命」の入った「エチュードOp.10」はとても有名で、この練習曲集は友人・リストに献呈されている。
ほぼ同い年、タイプは違うものの技巧派ピアニストとして知られていたショパンとリスト。線が細く内向的なショパンに対して、リストは堂々たる長身で女性ファンの人気を一身に集めるスーパースター。
対照的な2人だが、だからこそ惹かれあい、友情をはぐくむことになる――。
そんなショパンとリストの友情を中心に、シューマンやメンデルスゾーンなど個性豊かな音楽家たちが繰り広げるクラシックストーリー、それが『僕のショパン』だ。
ショパンは乙女男子、リストは俺様。シューマンはオタクで、メンデルスゾーンはドS。端的にデフォルメしているものの音楽家たちのもともとの性格を見事に反映し、しかもエピソードも実際のものを多数使いつつ――というか、使っているがゆえに想定外のストーリーがてんこ盛りで驚くばかりだ。
じゃっかんBLテイストだが、実話を使ってそうなっているというあたりも注目である。
音楽家たちの突出した個性に加えて著者の着眼点と味つけもおもしろく、読み終わった時には聞き慣れたショパンのピアノ曲もちょっと違って聞こえるかも?
ちなみに、187年前の今日演奏されたのはショパンの「ピアノ協奏曲第2番」。さらに、追って10月に第1番のほうも初演したとのこと。
どちらの協奏曲も、ピアノのメロディがとても美しい名曲だ。
マンガのあとに、クラシックをゆっくり楽しむのも悪くないのではなかろうか。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
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