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【インタビュー】藤本タツキ『ファイアパンチ』ネットでも話題騒然になった第1話・衝撃的なネームを超特別公開!!

2017/06/09


生粋の「ジャンプ」っ子ではなかった幼少時代

――『ファイアパンチ』は藤本先生にとって初の連載作品です。なので、いったいどういうバックボーンのある作家なのか興味があるんですけど、どういったマンガがお好きだったんですか?

藤本 僕、小さい頃に『ドラゴンボール』とか『スラムダンク』って、読んだことがなかったんです。

――それは「ジャンプ作家」としては珍しくないですか?

藤本 子供の頃は『グラップラー刃牙』と『浦安鉄筋家族』を読んでました。

 累計発行部数6000万部超え、25年以上も連載が続く板垣恵介の大人気格闘マンガ。魅力的なキャラクター、躍動感あるアクション、斬新な戦闘スタイルに多くのファンが魅力されている。

累計発行部数6000万部超え、25年以上も連載が続く板垣恵介の大人気格闘マンガ。魅力的なキャラクター、躍動感あるアクション、斬新な戦闘スタイルに多くのファンが魅力されている。

――「週刊少年チャンピオン」がお好きだったんですか?

藤本 父親が買ってきていたので読んでいたんです。あとは「月刊少年ジャンプ」(現在の「ジャンプSQ.」)。

――その時の「月刊少年ジャンプ」って何が載っていました?

藤本 『クレイモア』とか『ドラゴンドライブ』ですね。

2000年代に人気を博した八木教広のダークファンタジー。妖魔に人が喰われる世界で、「クレイモア」と呼ばれるひとりの少女が剣をふるう。

2000年代に人気を博した八木教広のダークファンタジー。妖魔に人が喰われる世界で、「クレイモア」と呼ばれるひとりの少女が剣をふるう。

――ひょっとして藤本先生が「ジャンプSQ.」に投稿したのって、その影響ですか?

藤本 そうですね。

――へぇー。最初の投稿作を描いたのは?

藤本 17歳の時です。「新都社」という素人がマンガを投稿できるサイトがあって、高校1年か2年のころからそこに落描きみたいなマンガをアップしてたんです。

――じゃあ石田スイ先生(『東京喰種 トーキョーグール』)やONE先生(『ワンパンマン』原作担当)がコミックスのオビ文に寄稿しているのは、そのつながりだったりします?

累計発行部数1800万部を超える石田スイの大ヒットダークファンタジー『東京喰種 トーキョーグール』。2014年にアニメ化、2017年7月29日に窪田正孝主演の実写映画が公開予定。現在は「週刊少年ヤングジャンプ」で続編を連載中。

累計発行部数1800万部を超える石田スイの大ヒットダークファンタジー『東京喰種 トーキョーグール』。2014年にアニメ化、2017年7月29日に窪田正孝主演の実写映画が公開予定。現在は「週刊少年ヤングジャンプ」で続編を連載中。

藤本 自分ではそう思っています。新都社出身の仲間意識というか。

――今の担当さんとは?

担当 初投稿作品からのつきあいなので、もう7年になるのかな?

藤本 けっこう長いですよね。

――藤本先生って、どんな印象でした?

担当 昔からネームを大量に見ているんですが、いつもすごいボールを投げてくる人だな、と思ってます。ただそれが、お客さんがおもしろいと思うところにたどり着けるか、という部分で、こちらから直しをお願いしてきました。これまで掲載された読み切り作品にしても、どんどん直していき、最後の原稿になったときにガンと上がるタイプです。

必見! 『ファイアパンチ』第1話の初期ネームをお披露目!

――これがそのネームなんですね、すごいです。

ネームの初期段階の続きはコチラから!

――そして、それが、これに! えぇーっ!?

上のネームの詰めていったネームの続きはコチラから!

担当 ネーム、初めて見るとビックリしますよね。 付きあいも長いので、このネームでも、どんな絵になるのかある程度わかってしまうんですよ(笑)。

――す、すごいですね……! 藤本先生は、この『ファイアパンチ』のアイデアは、どこから着想を得たんですか?

藤本 正直にいうと、全然おぼえてないんです。連載用にネタ出しした中にあった一本だったので。

――担当さんは、『ファイアパンチ』のアイデアを聞いた時に、最初はどう思いました?

担当 いや、もう、おもしろいな、と。またすごいボールを投げてきたな、と思いました。

――アイデア先行のタイプ?

担当 そうですね。絵に関しては、昔から「どうにかしないとね」って、ずっといい続けてきましたけど。

藤本 あんまり絵にこだわりがなかったんです。でも絵は大事なのもわかっているので、どうにか好きになれたらな、とは思っているんですけど。『ファイアパンチ』の第1話くらいまでは、ずっと画力のことをいわれてました。

――アクションを描くのはたいへん?

藤本 それまで読み切りを描く時って、映画でも「ドラマもの」をよく見ていたんです。読み切りだとオチとかカタルシス的な部分が大事になるので、アクションよりはドラマだな、と。だからそれまでアクションを描いたことがなかったので、担当さんに「どうしよう、アクション描けないよ」って。

担当 連載準備期間中に、すごくいろいろな資料を送って読んでもらっていたよね。

――一番参考になったのは?

藤本 参考……というのとは違うんですけど、好きなアクション映画は『ザ・レイド』。あとは北野武監督の、意表を突くというか、そこじゃないだろうと思わせておいていきなり見せ場、っていうのが好きです。どちらもマンガには活かせてないですけどね。

――さて、6月2日に『ファイアパンチ』最新第5巻が発売されました。ファンのみなさんに、メッセージをお願いします。

藤本 1、2、3巻が、序章です。 4巻5巻が、破章の途中までです。破章の終わりと、次章の始まりを楽しみにしてほしいです。

担当 藤本タツキ先生の圧巻のデビュー作。 毒もアクも強いですが、新しい表現が詰まった漫画だと思っています。 まずは1話の試し読みだけでもぜひに。 気に入っていただければ、「ジャンプ+」の連載でもぜひに読んでいただきたい。月曜毎週更新です!

『ファイアパンチ』第5巻、好評発売中!

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――藤本先生、ありがとうございました!

取材・構成:加山竜司


藤本タツキ先生の『ファイアパンチ』も紹介している
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