先生に怖いものはない!?
新作『平太郎に怖いものはない』誕生秘話
――現在「トーチweb」で連載中の『平太郎に怖いものはない』は、高校へは行かずにお好み焼き店を営んでいる平太郎の前に次々に妖怪が現れる、ずばり「妖怪もの」です。広島に実在した稲生平太郎による妖怪実見譚『三次実録物語』をベースにした作品なんですよね。
スケラッコ 小学生の時、図書館で読んでいた『ヘイタロウ妖怪ばなし』がとても好きで、連載のアイデアを考えている時になぜか思い出してマンガにしてみたいという気持ちになりました。
土地の雰囲気をつかむために『ヘイタロウ妖怪ばなし』の舞台になっている広島の三次にも行ったのですが、マンガでは三次と特定しないで描いています。広島は広いのでひと言でいえませんが、自然がいっぱいだけど街もあって、あと方言もいいなあと思いました。お好み焼きはもちろんおいしいし、また遊びにいきたいですね。
――妖怪に驚かされても平然としている平太郎がおかしくって、妖怪もほのぼのとチャーミングに描かれているのがたまりません。
スケラッコ 自然に描いたら、ああなった感じなのですが、もともと自分のなかに「妖怪=怖い」というイメージがなくて。もっと、日常で流れているニュースなんかのほうに怖がることが多いですね。私自身、平太郎のように不思議な体験をしたことはないのですが、してみたいという思いがあるのかもしれません。
――少し話題が変わりますが、スケラッコ先生がマンガを描くようになった経緯を教えてください。
スケラッコ マンガふうのものは子どもの頃から描いていたのですが、社会人になってから少しずつまとまったページのものを書き始めました。しばらくして自主制作で作品を発表するようになって、私が当時アルバイトをしていたギャラリーのオーナーが担当の方を紹介してくださって、「トーチweb」でマンガを発表することになって現在に至っています。
――スケラッコ先生は多摩美術大学出身だそうですが、現在マンガを描くにあたって美大で学ばれたことは何か関係していますか?
スケラッコ どうでしょう。大学ではグラフィックデザイン学科にいて、アニメーションの授業も専攻していたので、いま『平太郎に怖いものはない』のweb連載上でアニメーション表現を用いていることの役にはたっているかもしれません。
――今後、マンガで描きたいテーマ、マンガ以外でやってみたい企画はありますか?
スケラッコ やっぱり、盆踊りのマンガが描きたいですね。あと、夏なので新しいTシャツもつくりたいです。
――どうもありがとうございました!
取材・構成:井口啓子
スケラッコ先生の『盆の国』
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