大きなスケールで「人間が好き」な町田くんが恋をしたら……!?

――町田くんを眺めていると、こんな人が身近にいたらなぁ、あるいは自分がこんなふうになれたらなぁと思うんです。先生にとって町田くんはどんな存在なのでしょう。

こんなにも心を開いて向き合ってくれる人、現実世界にいますか!?　 いたら間違いなく惚れちゃいます。

安藤　はじめは自分とは離れたところにいると思っていましたが、最近はちょっとずつ近づいてきてくれていますね。

――もし町田くんが現実にいるとしたらどんな関係でいたいですか？

安藤　責任感のない関係同士で話を聞いていたいですね。たとえるなら、飲み屋で偶然隣同士になるくらいの関係でしょうか。

――うわぁ、そんな大人な町田くんも見てみたいものです！ 今いちばん気になるのは猪原さんとの関係です。９話で猪原さんが町田くんへの気持ちをはっきりと言葉にする場面にはドキッとしました。町田くんが恋をしたらどうなっちゃうのかと……。

最初はクールな感じだった猪原さんのどんどんかわいくなっていく表情にも注目！ やっぱり恋をすると女の子は変わるよね。

安藤　いちおう、恋になるように試行錯誤中です。この先、町田くんがどうやって恋を捉えていくかを描いていけたらと思います。

――11～12話では猪原さんと町田くんの間にちょっとした波乱があり……先が気になってしょうがないです。

え!? 猪原さん、どうしちゃったの!? 突然の涙の理由はいったい……？

安藤　この顛末については13話（「別冊マーガレット」4月13日発売・５月号）まで続きますので、お読みいただければ！

――楽しみです！　町田くんはなかなかモテるので猪原さんはジリジリしっぱなしだと思いますが……。10話も、町田くんに恋してしまった女の子が発端になっていますしね。

安藤　このエピソードは担当さんと練っていて出てきた話で、「小さな男の子が探偵みたいに町田くんのことを調査したらおもしろいね」という発想から生まれました。

惚れっぽいうえに男を見る目のない姉が好きになった町田くんを調査するのは、小学生の育くん。かわいげないんだけど、だんだんかわいく見えてくる不思議。

――彼女の弟・育くんが町田くんを調べにかかるわけですが、育は“人たらし”の町田くんにとってもかなりの難物で、どう着地するのか心配になってしまいました。

安藤　町田くんが育を理解するシーンは自分でも気に入っているんです。育の気持ちを、町田くんがうまく言葉にすることができてよかったなと思います。

育くん、よかったね、と思わずにはいられない。不器用な育を理解するのは小学生のクラスメイトにはちょっとハードルが高いかも。

――正義の人というわけではなく、人の本質をまっすぐに見る町田くんらしさを感じます。町田くんの弟のミツオのかわいさも光ってました！

安藤　ミツオは……心やさしいバカです！（笑）

人にも動物にもやさしいミツオ。間違いなく兄・町田くんの“町田イズム”を継承している。

――ここまでお母さんや妹、弟たちそれぞれにスポットが当たる話はあるのに、お父さんが出てこないのが気になっているんですが。

安藤　これから出てきますので、楽しみにしていてください。13話（「別冊マーガレット」4月13日発売・5月号）に登場の予定です。

■次回予告
読者の心にしみるエピソード誕生の裏側、安藤先生が今注目しているマンガ、そして、作品に込めたメッセージなどなど、インタビュー後編は5月初旬公開予定！

取材・構成：粟生こずえ