人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。
今回お話をうかがったのは、
漫画家・一二三先生とお笑い芸人・流れ星さん!
全国各都道府県を守る「ご当地神」たちが、日本の首都の座をめぐって壮絶な戦いを繰り広げる都道府県擬人化バトルマンガ『四十七大戦』。地元の名産品や観光名所などをバトルに盛りこむ著者のセンスと、美麗なイラストで人気急上昇中!
3月11日にファン待望の第1巻が発売の本作ですが、著者・一二三先生とお笑い芸人・流れ星さんの前回の対談の大反響を受けて、対談インタビュー第2弾を公開しちゃいますっ。
今回は、流れ星のお2人に、地元・岐阜県の魅力を、一二三先生にプレゼンしていただきましたよ! すると、思わぬ事実が明らかに……!?
「岐阜って川あるの?」
まさかの岐阜ディス(!?)に、ちゅうえい激怒!?
――流れ星さんの地元である対岐阜戦は気になるところですが、岐阜の設定はどんな感じになりそうですか?
一二三 「合掌造り[注1]」は使おうと思ってたんですけど、すでに流れ星さんのネタで披露していたのでどうしようって……。「関の刃物[注2]」って最近よく聞きますが……?
瀧上 オレ、関市の爪切り使ってます! 切れ味がよくて、ぜひ名物で出していただきたいですね。というか、オレらも出してくださいよ! 神様じゃなくて側近とかでもいいので!
ちゅうえい 瀧上はビジュアル的に『四十七大戦』の世界観にあってるけど、オレ、大丈夫かな? オレ、真顔ができない、かわいそうなキャラなんで……。
瀧上 難しかったら動物でもいいです(笑)。
ちゅうえい テンパでアゴ出てたらわかるから、大丈夫(笑)。
瀧上 岐阜ネタをさらにプレゼンさせてもらうと、「鵜飼バスーカ」って、口から鮎がポーンって出てくる武器はどうかなって。あんまり強くないので、一番最初に出して、「ダメだ、効かない!」ぐらいの。
一二三 「鵜飼」って……岐阜って川あるんですか?
ちゅうえい あるわ! 長良川あるわ! 水なかったら死んでるわ!
瀧上 これは危ないわ(笑)。一二三先生に岐阜の知識を入れとかないと変なこと書かれちゃう。岐阜は海はないけど「清流の国」って呼ばれるぐらい水がきれいで、鮎を採るための鵜飼が名物で、宮内庁に献上もしてます。
一二三 勉強になります!
瀧上 もう今日対談してよかった~。でなかったら岐阜どんなことになってたか……。あと、岐阜県って飛騨地方と美濃地方にわかれてて、お互いライバル視しちゃってるところがあるので、そこをうまくまとめていかないと、強くはならないかも。
ちゅうえい 岐阜を有名にしてる観光名所は高山とか下呂とか飛騨地方に固まってんのに、「おまえら何、名古屋面して見下してんの?」みたいなのはいいたいですよね。県庁所在地はむこうにあるけど。
――そういう県内とか近隣の県同士の微妙な力関係が描かれてるのもおもしろいですよね。都道府県ネタネタを描くことで、結果として戦いあり、友情ありの人間ドラマになってる。
一二三 都道府県ネタのおもしろさって、名産品と同時に、「ここには負けない」とか、「こっちには頭が上がらない」みたいな関係性がおもしろい。そこは擬人化だけに積極的にイジっていった方が個性が出るかなって。岐阜さんは愛知さんとは仲がいいけど、県民性としてオレがオレがって前に出ていくタイプではない、控えめで人見知りなキャラクターで考えてるんですけど……。
ちゅうえい うん、あってますね。ただひと言いうなら、愛知とは仲がよいというよりは、仲よくせざるをえない。
瀧上 ちょっと舎弟ですよね。でも、鳥取とはオレたち仲よくなれそうですよね。似たような感じがするので。
ちゅうえい そうそう。うちの親はファンが訪ねてきたら、いまだに家にあげてお茶だしちゃうんですけど、たぶん岐阜さんも鳥取がきたら「遠いとこよう来たね」って、招き入れちゃうんじゃないかと。
瀧上 ヤバイ、戦いにならないかも! でも、こういうネタを考えるのって、めっちゃ楽しくないですか? オレらも超楽しくて。
ちゅうえい 『キン肉マン』の怪人じゃないけど、「この県の通常技はコレで、超必殺技武器はコレ」とか。
一二三 たしかにそうですね!
――はたして岐阜県はどう登場するのか!? 今後も『四十七大戦』の連載、そして流れ星さんのご活躍を、楽しみにしております!
- 注1 合掌造り 日本の住宅建築様式のひとつで、急勾配の屋根が特徴。岐阜県・白川郷の合掌造り集落はユネスコの世界遺産に登録されている。
- 注2 関の刃物 日本一の名刀の産地である岐阜県・関市の刃物をさす。関市の刀鍛冶は700年以上の歴史があり、「折れず、曲がらず、よく切れる」とどの時代でも愛されてきた。