第4位(70ポイント)
『ちぇみと三兄弟』 いがわうみこ
『ちぇみと三兄弟』
いがわうみこ 祥伝社
母親を亡くし、バイト生活を送る少女・ちぇみこと御舘田千笑ことのもとに、母親の元再婚相手の連れ子・見がやってきて、彼女は血のつながらない三兄弟と同居をすることになった。
『このマンガがすごい!2014』「オンナ編」に自作がダブルランクインをした著者の最新作ということで注目度も十分、さすがのランクインとなりました。
オススメボイス!
■独特の間がくせになります(かとうちあき/野宿野郎編集長(仮))
■いがわうみこは意地悪な人間をじつにナチュラルに描くのだ。本作に現れている家族の肖像は(設定のレベルで)いくらかトリッキーだが、それがその特殊性を強調するためのものではなく、あくまでも自然体のコメディとなっているので、「ああ、これは困ったことになったねえ」と眉をしかめながら「ふふふ」と笑える。ちょっとばかり素敵なシーンもある。もちろん、物語それ自体は序盤でしかない。これからシリアスな展開が待ち受けている可能性はなきにしもあらず。しかし、まずは登場人物たちの独特な「間」がもたらす独特の「空気」に魅了される(森田真功/ライター、ブログ「Lエルトセヴン7 第2ステージ」管理人)
■親の事情で離れて暮らしていた兄妹が一堂に。マンガではよくある話でも、いじわるな兄の彼女の登場が新鮮(恭文堂コミッククラフト店 早川博志/書店員)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第5位(64ポイント)
『昭和元禄落語心中』 雲田はるこ
『昭和元禄落語心中』
雲田はるこ 講談社
師匠・有楽亭八雲と交わした約束を胸に芸を磨き続ける与太郎は、ついに三代目助六を継承するが、そのとたん、自分の落語が揺るぎだす……。
前巻までのいわば過去編が終わり、真打ちとなった与太郎に主軸を戻しての展開にドキドキです。
オススメボイス!
■都内に定席が1箇所という、落語ディストピア世界だったことが前巻で判明。本作中の落語界は、現実よりはるかにキビシく、絶滅の危機に瀕している模様(加山竜司/フリーライター)
■やはり安定のおもしろさ。一見、普通の人間ドラマのなかに凄みがある(渡辺水央/ライター)
第6位(54ポイント)
『夢の雫、黄金の鳥籠』 篠原千絵
『夢の雫、黄金の鳥籠』
篠原千絵 小学館
16世紀のオスマントルコ帝国を舞台に、皇帝スレイマンの後宮(ハレム)に迎えられた主人公・ヒュッレムが激しく醜い女同士の権力争いに巻きこまれていく姿を描く。
可憐なヒュッレムがしたたかに、そしてしなやかに成長していく姿が注目の的となったようです。
オススメボイス!
■オスマントルコの後宮を舞台に側室達が繰り広げる熾烈な争い……。なにしろ男子を産んでその子が帝位につけなければ殺されてしまう世界です。愛と欲望と好奇心と乙女の恋心が織りなす女の戦いすごい。でも主人公ヒュッレム、言いたかないけど、君のそれ、皇帝の側室じゃなくてもアウトなやつだから……(アキミ/ブログ「ボーイズラブを読む!」管理人)
■これぞ女の総合格闘技! 妬みと恨みと色恋に満ちたハレムの人間模様は、5巻になってますますの読みごたえ。ヒュッレムとギュルバハルのなにげない言葉の応酬から、骨のぶつかり合う音すら聞こえる。怖すぎて目が離せない(小田真琴/女子マンガ研究家)
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