オープンから3カ月。おかげさまでなんだか大好評の「このマンガがすごい!WEB」のメイン企画が、今月もやってきました。偽装夫婦に、W不倫、兄弟姉妹に異母妹など、恋や人間関係のあり方を問う作品が多くランクインした今月の「オンナ編」。読めば恋も仕事も絶好調!…になるはず(?)の、ベスト10を要チェック!
第1位 (104ポイント)
『かくかくしかじか』 東村アキコ
『かくかくしかじか』
東村アキコ 集英社
美大卒業後、地元・宮崎でサラリーマンとプロの漫画家の二足のわらじをはきながら一本立ちのために悪戦苦闘する若き日の著者をモデルにした半自伝マンガ。
卓抜したギャグセンスのなかにちりばめられたシリアス要素が、第4巻ではいままでよりハッキリと表面に出てきたのが印象的だったようです。
オススメボイス!
■笑いと切なさの濃度があいかわらず高い。これまで匂わせまくっていた“あの時”がついに目の前へと迫ってきました。漫画家として着実に成長し、希望にあふれたところからの反転。わかってはいたけれども、これは効きます(いづき/ブログ「オトコでも読める少女マンガ」管理人)
■4巻、あいかわらずコメディとシリアスのバランスがじつに絶妙ですばらしい。この作品は特に、最初からシリアスの終着点が匂わせられており、いよいよそこへと確実に近づいてきている。次巻はほぼ確実に目に涙を浮かべることになりそうだ……(いのけん/麻雀マンガブログ管理人)
■東村節で展開されるも時折漂う哀愁。巻が進むごとに強くなるその哀愁がこの巻で決定的に。気になる、続きが猛烈に気になる(竹下典宏/まんだらけコンプレックス店長)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第2位 (102ポイント)
『春風のスネグラチカ』 沙村広明
『春風のスネグラチカ』
沙村広明 太田出版
両足義足の少女が乗る車椅子を押す寡黙な隻眼の青年……2人は、危険を冒してとある屋敷に隠された秘密に迫る。
ロシア革命から始まる共産主義ソヴィエト時代を舞台としたミステリで、丹念な取材に基づく端麗な沙村タッチによる壮大な歴史絵巻に圧倒されました。
オススメボイス!
■この作者独特の、寂寞とした舞台とひとひねりされた人物から、歴史のうねりの残響を聞いた(辻真先/アニメ脚本家・ミステリ作家)
■歴史系ファンタジーの真骨頂を見た気分でした。ロシアを舞台に車椅子の美少女と少女に寄り添う青年の関係性と目的と……最後の種明かしがすごいカタルシスでした(アキミ/ブログ「ボーイズラブを読む!」管理人)
■ロシア革命とその後に対する、知識に基づいた大胆な解釈を、ミステリーとして読ませる手法に感服。登場人物の名前すらネタバレになるので言えないすごいマンガだと感じ、薦めたいのにうまく説明できないもどかしさに慄いています(たまごまご/ライター)
■やはり沙村先生は、短編の切れ味が半端ない。巻末の解説ページが読み終わった人向けなのも楽しい(麻野昌三/わんだ~らんど なんば店 店長)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第3位 (92ポイント)
『AWAY -アウェイ-』 小松左京(案) 萩尾望都(画)
『AWAY -アウェイ-』
小松左京(案) 萩尾望都(画) 小学館
2033年3月末のある朝、中学生・一紀は、周囲の大人が消えてしまったことに気づく。12歳未満の子どもたちだけしか存在しない世界で、予想もできない日々が始まる。
SF界の巨匠・小松左京の短編作品「お召し」からアイデアを得た本格SFストーリーを描くのは、なんと萩尾望都! 小説とマンガ、2人のSF界の巨匠が生みだす物語が話題を呼びました。
オススメボイス!
■子どもたちだけになってしまった世界……。萩尾望都がこんな設定のSFを描くだなんて、もうそれだけで興奮を抑えられない。この特殊なシチュエーションで何が起こっていくのか。なぜそんなことになったのか。作者の想像力がどのような物語を紡ぎ出すのか。本作が孕むセンス・オブ・ワンダーとサスペンスにゾクゾクする(稲垣高広/ブログ「藤子不二雄ファンはここにいる」管理人)
■もしある日突然、世界から大人が消えたら……というSF。さすがの巧みな構成で、ページを繰る手が止まりませんでした。萩尾先生がどうアレンジしたのか、原案となった小松左京氏の短編もあわせて読んでみたい(梅本ゆうこ/ブログ「マンガ食堂」管理人)
■出ましたSF最新作! 萩尾望都を読んだことのない世代の方にお勧めします(旭屋書店なんばCITY店 平田/旭屋書店なんばCITY店コミック担当)