チャラ男？マダムキラー？自由人？　個性豊かなメンバーぞろいの異色探偵事務所が謎を解く！「なかったコト探偵」【リコメンド特集】

2017/08/04

記憶喪失の主人公＆個性あふれる探偵たちが依頼人の”消したい過去”を、きれいさっぱり「なかったコト」にしてくれる、千石探偵事務所。そんな彼らの活躍を描いた「なかったコト探偵」！
緻密かつ大胆に配置された伏線が、『僕だけがいない街』『珈琲店タレーランの事件簿』などの本格ミステリーファンをもうならせると話題のドラマコミックだ！

ドラマコミック『なかったコト探偵』
プロローグ＋エピソード01　
120円(税込)

チャラ男、マダムキラー、自由人……一風変わった彼らが、毎回、驚くべき手法で「なかったコト」にしていく。しかし、依頼人をはじめ、関係者たちも曲者ばかり……。
その関係者たちの証言のなかにある“矛盾”を探し出し、依頼を解決していくのが大まかなストーリーだ。

探偵たちの意外な素顔も見える、珠玉のエピソード

この『なかったコト探偵』の各エピソードでは、毎回、突拍子もない依頼と複雑な謎が待ちうけているので、エピソードごとにバラエティ豊かで、毎話楽しむことができるのだが、物語を読み進めるうえで、事件を解き明かしていくヒントは、登場人物たちがにぎっている。その登場人物にはもちろん、主人公・こころをはじめ、千石探偵事務所のメンバーも含まれる。

今回、物語に登場する多彩なキャラクターたちをご紹介するとともに、美麗なルックスとこころへの口の悪さが、特徴的な毒舌王子・桐生雅美の意外な一面が見られる、あるエピソードをご紹介しよう。
それがエピソード11「借金、なかったコトに」だ。

エピソード11にして、こころ、まさかの寿退所!?　相手はあの毒舌な雅美さん!?　これはもはや事件だ!?

まずは、のっけから驚かされることになる。
美しい教会、純白のウエディングドレスを着たこころと、タキシードの雅美……。2人の左手薬指にはおそろいのリングが……。
「色々あって私たちこうなりました」
エッ!?　どうゆうこと!?　衝撃の展開が起こったきっかけは、数日前にさかのぼる。

ある日、千石探偵事務所に蒼井雅夢というベンチャー企業の社長が依頼にやってきた。なんでも彼は社長業ということで高級車にマンションに、と浪費を重ね、ついには7,000万円の借金を負ってしまったのだという。さらに、結婚もひかえていて……。
彼の結婚相手は日本トップ企業のご令嬢・麗。麗の両親は大事な娘の結婚相手となる雅夢の信用調査を始めるというのだ。この借金がバレれば、結婚の約束はパア！　
そんな窮地の雅夢が依頼したのは「借金をなかったコトにしてほしい」だ。

事務所に現れた蒼井という青年は、結婚のためにも借金をなかったコトにしてほしいというが、そんなこと可能なのか!?

その依頼を受けたのが探偵・桐生雅美。
雅美とこころはさっそく彼の借金している事実を隠す工作をしようと乗り出すが、こころは、依頼人の雅夢がお金目当ての結婚詐欺なのでは？　と疑い始める。

まずは調査、とブライダル会社に潜入したこころと雅美はひょんなことから結婚式体験をして、冒頭のシーンにつながるのだが、そのおかげで資料をもらい、さっそく麗の家へ、式場の係員として潜入。幼いころからの友人関係にも厳しく介入するなど、麗に対して過保護である母親だが、従順な麗は、「母のためなら」と、今回の信用調査も受け入れたのだ。
そんな麗は借金の有無など関係なく、結婚を望んでいるようだが、どうやら不穏な空気も漂い……!?

雅美の結婚相手・麗は、彼との結婚を望んでいつつ、彼の身辺調査に浮かない顔……。
この結婚、はたして大丈夫だろうか？

さらに輪をかけるように、麗の使用人・赤星さきもこの結婚を止めるように麗を説得してほしいと、こころに懇願する。というのも、現在の白鳥家には、昔のような勢いがなくなってしまっているようで……？

麗の幼少期からに仕えていた赤星さき。
彼女にとって、麗の幸せは自分の幸せなのだ。

調査を進めるこころと雅美だったが、ついに雅夢のもとに、麗が信用調査のための探偵とともに訪れる！
その探偵とは……ライバル探偵の北条勝利！　
こころの素性を知っている北条は、強気な態度でこころたちを挑発する。さらに彼は、雅美が依頼人の婚約者・麗と同じ小学校の同級生だったことを明かす。

千石探偵事務所のライバルである、北条勝利。
いつも彼らをバカにしていくキャラだが、この後のエピソードにもたびたび登場する。

雅美にとって麗は、ただの同級生ではないようで……？
いつも毒舌で、厳しいこともズバッという雅美だが、今回は意外な過去が明らかになる。

ライバル探偵・勝利から明かされたのは、雅美と麗が小学校の同級生だったこと！　
２人はどんな関係だったの……？

今回の事件をどんな気持ちで雅美は受けたのか……。表情ひとつ変えない雅美に、その心中を察することはできないが、それでも、一抹の想いはあったに違いない。正直、彼の過去がわかったあとはドキドキしっぱなしだ。麗は唯一、雅美が“本当の姿”を見せられた人物だったということもわかり、さらに物語は深くなる。

そして雅美は、雅夢の信用調査を阻止すべく、ある工作をする。その工作に欠かせない人物とは、「喫茶なんば」のウエイトレスである花尻桃香だ。
出会ってすぐに、こころを「先輩」呼ばわりしたり、いたるところで意味深な発言をする彼女は、最終話でも大きなカギを握る人物であるが、そんな彼女の「巨乳」を活かし、北条にある色仕掛けを行う。
今さらそんな古典的なものが通用するわけ……と思いきや、意外にも成功してしまう！どんなに頭脳明晰な男性でも、色気には敵わないようだ……。

これで雅夢の借金をなかったコトにできた……とほっとしたのもつかの間、どういうわけか、麗と母親に、雅夢の借金がバレてしまった！　この裏には、だれかの嘘があると雅美はニラむが、はたして……。

巨乳ウェイトレス・桃香のお色気作戦にまんまとハマってしまった北条。
巨乳は大正義なのである。

前回紹介した記事でも所長の一馬が、依頼人とかかわりがあったことで、彼の知られざる過去が明らかとなった。各エピソードごとに登場するキャラクターたちの、複雑な事情や秘められた心境などはもちろん、千石探偵事務所の面々にも、バックボーンはあって、それが人物の魅力を色濃く描いているのだ。
そのキャラクター描写がときに物語を彩り、そして事件究明の鍵となる。

物語ラストに雅美から語られる、麗のこと。その言葉には彼があまり見せない、素顔がある。ぜひ、物語を読み解くだけでなく、登場人物たちの言葉や、想いにも注目してほしい。