「あの話題になっているアニメの原作を僕達はじつは知らない。」略して「あのアニ」。
アニメ、映画、ときには舞台、ミュージカル、展覧会……などなど、マンガだけでなく、様々なエンタメ作品を取り上げていく「このマンガがすごい!WEB」の人気企画!
そう、これは「アニメを見ていると原作のマンガも読みたいような気もしてくるけれど、実際は手に取っていないアナタ」に贈る優しめのマンガガイドです。「このマンガがすごい!」ならではの視点で作品を紹介! そしてもちろん、原作マンガやあわせて読みたいおすすめマンガ作品を紹介します!
今回紹介するのは、アニメ『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』
今年10月から放送が開始される『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』。
そうか、お前の彼女はしょびっちなのか…………で、しょびっちって何?
そんな感じでタイトルが気になった方もいるかもしれないので説明をしておくと、本作の原作となるのは松本ナミルの『僕の彼女がマジメ過ぎる処女ビッチな件』。アニメ化に際して、タイトルの直接的すぎる部分を微妙にマイルドにした結果、誕生したのが「しょびっち」というワードなのである。
物語は男子高校生の篠崎遥が、成績優秀・スポーツ万能・クラス委員長の香坂秋穂に告白したところから幕を開ける。
玉砕覚悟で挑んだ告白の返事はまさかのOK。しかし、その直後に秋穂はとんでもない発言をする。
「では 手始めに四十八手を全て暗記しますね」
そう、マジメすぎる秋穂は理想的な彼女を目指すためHな方面にも勉強熱心だったのだ!
これこそが「処女ビッチ」というタイトルの由来である。
直接的な描写はないものの卑猥な発言が次々に連発される本作。よくもまあアニメ化できたものだと感心するが、アニメ化ということは当然セリフのひとつひとつに声がつく。
そんな本作のヒロイン秋穂を演じるのは、『魔法少女まどか☆マギカ』の鹿目まどか役や『幼女戦記』のターニャ・デグレチャフ役でおなじみの悠木碧。そうか、悠木碧の声で、ときには「舌使いも教えてください……」とおねだりされたり、ときには「ブタ野郎」と蔑まれたりするのか…………。すごくいいな!
もちろん、そういった方面ばかりではなく、ふだんは過激な言動を連発するのに、相合傘には照れてしまうという、見た目はクール、発言は積極的、けれどもその内心は純情という秋穂をどう演じていくのかにも注目していきたい。
メインヒロインの秋穂以外にも、遥のひとつ年上の幼なじみで過激なスキンシップを取ってくる有山雫、天然な発言を連発して周囲を困惑させるお嬢様の西城梨奈、遥の妹でかなりのブラコン気味な篠崎奏多と、魅力的な女性キャラが盛りだくさん。
そんな彼女たちを武田羅梨沙多胡、山田奈都美、八木侑紀といった若手声優が演じていく。はたして彼女たちの口からどんなエキサイティングなセリフが飛び出すのか……。
また、OP曲は悠木碧のレコード会社移籍第1弾となる「永遠ラビリンス」に決定しており、本編以外でも要注目だ。
というわけで、いろんな意味でこの秋、話題になりそうな『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』。 見逃すこと、そして彼女たちのセリフを聞き逃すことなかれ!
アニメ『僕の彼女がマジメすぎるしょびっちな件』を観たあとに……
今回、アニメ『僕の彼女がマジメすぎるしょびっちな件』をさらに楽しみたいアナタに、読んでほしいマンガ作品を紹介しちゃいますよっ。
『僕の彼女がマジメ過ぎる処女ビッチな件』 松本ナミル
『僕の彼女がマジメ過ぎる処女ビッチな件』
松本ナミル KADOKAWA ¥580+税
(2016年4月7日発売)
ふつうの高校二年生篠崎遥と、マジメなんだけどいろいろズレていてナチュラルに逆セクハラをしてしまう香坂秋穂の日常を描いた本作品。原作は4コマ形式となっており、ギャグがテンポよく炸裂する非常に楽しく読みやすい内容になっている。下ネタばかりが注目されてしまいがちな本作だが、初めてのお付き合い同士となる2人が、勘違いや空回りをしながらも、ちょっとずつ距離を縮めていく純情LOVEな要素がある点だって忘れてはいけない。いや、まあ基本的に下ネタばかりなんだけど……。
『僕の彼女がマジメ過ぎる処女ビッチな件』のほかに、このマンガもおすすめ!
『現実の彼女はいりません!』
田尾典丈(作)三雲ジョージ(画)ReDrop(キャラクター原案)
『現実(リアル)の彼女(ヒロイン)はいりません!』
田尾典丈(作) 三雲ジョージ(画) ReDrop(キャラクター原案)
スクウェア・エニックス ¥562+税 (2017年6月13日発売)
三次元にいっさい興味を持たないオタクな高校生・新宮清一はある晩不良少女・綾女古都子を偶然助けてしまう。その2日後、古都子から告白される清一だったが、2次元にしか興味がない彼はあっさり断る。だが古都子は「アニメやゲームの女よりかわいくなってやる」と堂々宣言。かくしてオタクとヤンキーの一味変わったラブコメが幕を開ける。 この作品、元々は原作がライトノベルで、その時のタイトルは『中古でも恋がしたい!』だったのだが、マンガ化された際にタイトルが変わっている。おそらく「しょびっち」的な力学がここでも働いたのだろう。また本作のヒロイン・古都子の設定は、香坂秋穂とは少し違うが、これはこれで「処女ビッチ」というべきもの。というわけで、処女ビッチという属性が好きな人はぜひご一読を。
<文・犬紳士>
養蜂家。好きな野鳥はメジロ。