この作品を読むまでは、女子のプロ野球があることも知りませんでしたが、2巻まで読んだ今では、『どんな選手がいるんだろう?』『試合を見てみたい!』と興味が湧いてきました。
主人公の花鈴は天真爛漫で努力家、勉強は苦手だけれど、プロの選手になって家族に楽をさせてあげるのが夢という健気な女の子。彼女のライバルは、強豪校の美玲。プロからのオファーもあるほどなのに、本気になれる相手がいないからプロにはならないという、冷めたところがあります。
高校最後の夏、最後のチャンスに花鈴たちがどこまで勝ち上がれるのか?それに、花鈴のもうひとつの夢「女子も甲子園で野球をしたい!」という願いは叶うのか?全コミックスで解説されていますが、甲子園で開催される高校野球全国大会は、参加できるのは男子生徒のみと規定されているそうです。
「女子はなぜ甲子園でプレーできないの?」「強くなければ意味がないの?」「それなら女子野球の意味って?」といったテーマも提示されています。それらに花鈴たちが花鈴たちなりの答えを見つけられるのかどうかも、これからの見どころのひとつです。
率直に言うと、絵は上手と言うわけではありませんが、魅力的な選手や監督がほかにもたくさん登場します。
作者の思いが伝わってくるマンガです。
――――紀伊國屋書店新宿本店 井村紗緒里さん
「南を甲子園に連れてって」とは、『タッチ』のあまりにも有名なセリフだが、それはもう昔の話。
時代は変わった。
少女は、幼なじみの少年と「2人で甲子園に行こう」と約束する。事実、「高校女子硬式野球部」というのは日本各地に存在し、全国大会も開催されている。
――しかし、その決戦の地は甲子園ではない。
主人公はすでに高3。周囲は強豪校やかつてのチームメイトなど、じつに険しい茨の道だが、花鈴、キミの魔球で世論さえも動かしてみせてくれ!
――――三省堂書店神保町本店 竹村真志さん
女の子たちのかわいいビジュアルに油断して読み始めたら驚き!
そこには「女の子だって甲子園!」という夢を、日々特訓と努力を積み重ねていくことで実現を目指していく少女たちの、まさに男子顔負けの熱い青春物語が。
作中では花鈴やチームメイト、ライバル選手、登場人物たち一人ひとりの心情が細かく描かれています。ひときわ熱量を増していく試合中のシーンでは熱さの中にも心理描写によってストーリーに深みが加えられ、気がついたら夢中で読みこんでいました。
また、女子選手ならではの練習方法や女子高生らしい恋愛など、今までの野球漫画にあまり見られなかった「女の子」ならではの要素が多く描かれているのも作品の見どころ。
そして何より女子高校野球の未来にかける著者の熱い気持ちが何より作品の魅力として表れていると感じました。いつかこの作品をきっかけに女子選手の甲子園出場が実現することを願います!
――――ヴィレッジヴァンガード下北沢店 中澤孝紀さん
大人目線で読む野球マンガとしては少々物足りないかもしれません。だがしかし、この作品はまぎれもなく児童マンガなのです。あまりにベタベタな……もとい、わかりやすい設定や展開……野球を知らない子どもたちが初めて読む作品としてこれ以上ふさわしいものはないでしょう。
願わくはこの作品で多くの少女たちが野球に目覚めんことを。大学女子野球の聖地魚津市を代表して、この作品を全力で支持します!
――――中田図書出版 BOOKSなかだ魚津店 浜波孝至さん
書店員のみなさま、ありがとうございました!
『花鈴のマウンド』大好評連載中! 「9」のつく日に更新!
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