第4位(64ポイント)
『凪のお暇』 コナリミサト
『凪のお暇』
コナリミサト 秋田書店
“空気を読みすぎる”凪(なぎ)は、ある日、過呼吸で倒れてしまう。仕事も辞めて恋人とも別れ、引っ越しをして心機一転。そんな凪の元恋人・慎二は、子どもの頃から空気を読むのがうまくて仕事の営業も天職のようにこなしている。さっそくほかの女性と仲よくなりかけてはいるものの、やっぱり凪のことを思いだしてしまう。一方、凪はお隣に住む小学生のうららちゃんと仲よくなり、そして気になる男性・ゴンさんと……!?
「空気を読むって 究極 相手にとって都合がいい酸素になるってこと」という慎二は、あいかわらずマイペースに凪を追いかける。そんな凪がゴンと2人で節約BBQにいく話が本作で登場するが、節約レシピなど参考になる情報もちりばめられてて参考になる。
オススメボイス!
■息苦しい生活が続くくらいなら、貧乏と自由を選択するという主人公に共感多数。当店では第1巻の実買数を第2巻は1週間で超える人気作となりました(早川博志/恭文堂コミッククラフト店)
■発売直後にけっこう大きな書店に買いにいったのだがなんと売ってない! ネット書店でも売り切れ! 明らかに初版部数の設定を間違っている。第1巻発売後、じわりじわりと人気を広げて、今まさにブレイクを果たそうとしているこの作品、読まずにいるのはもったいない。すべてを失った女性が、人生を立て直すための武器としたのが「節約テク」というのがとてもおもしろいし、一方、ダークサイドの描き方がけっこうエグくて、作品としての厚みを感じさせる。重版出来もしたようなのでぜひ(小田真琴/女子マンガ研究家)
第5位(62ポイント)
『魔法にかかった新学期』 ひかわきょうこ
『魔法にかかった新学期』
ひかわきょうこ 白泉社
高校3年の新学期に転校してきた琴美は、霊を見ることができる3人のクラスメートと、かつて近所に住んでいて転校先に教師として赴任してきた雅己といっしょに、突然学校に閉じこめられてしまう。5人の胸には、謎の動く埴輪のフィギュアがあり、それぞれの埴輪には神代文字「ヲシテ文字」で「あ」から「お」までの字が描かれていた。
神代文字「ヲシテ文字」は、漢字伝来以前から日本にあったといわれる文字で、「あ」は「万物の中心」「扉が開く」など、ひと文字ずつ意味があるとされている。もはやクラシカルといいたくなる絵柄で錯綜した内容を、ホラーともラブコメとも違う不思議な雰囲気で描いており、なかなかの読みごたえ。『春を待つころ』、『彼方から』の著者の12年ぶりの新作!
オススメボイス!
■ひかわきょうこさん久々の新連載、楽しみにしてました! 不思議なハニワや神代の文字・ヲシテ文字、こっくりさんやおばけなど、不思議なテイスト満載なのに地に足の着いた日常感のあるファンタジーに仕上がっているからおもしろいです。どんなふうに展開するのか、ベテラン作家さんの世界を楽しみたい作品(りる/感想系ブログ『空夢ノート+』管理人)
第6位(48ポイント)
『百姓貴族』 荒川弘
『百姓貴族』
荒川弘 新書館
あまり台風がこないことで知られる北海道に、2016年は強い台風が襲来。荒川家にも台風はその猛威をふるった。後継問題や、メガネ問題など、今回も切れ味するどく、かつ軽妙に農家の日常を描いていく。
『鋼の錬金術師』『銀の匙 Silver Spoon』著者の実家の農業生活を描くエッセイコミック。連載10周年を迎えた今回、カラーページで不味飯(マズメシ)にフォーカスをあてる先生、容赦ないっス……。
オススメボイス!
■いつも楽しみにして、もう10周年!? 実写化とかしてもいいかも。着ぐるみで(?)。農業についての話はもちろん、今巻は弟さんの進路など、荒川家のファミリーヒストリーが垣間見えるのもいいです(和智永妙/ライターたまに編集)