結果、入部することにした青だが、その“胸の高まり”はなんであったか、『ECHOES』を読んでいる身としてはいろいろ深読みするのも楽しいところ。ちなみに青は知るよしもないが、天性のムードメーカーである青の入部がバスケ部の救いになっているのもほほえましい。再びボールを手にして、無我夢中でコートをかけずり回り、「やっぱバスケ楽しい~」と笑い泣きする青の素直さには目尻が下がってしまう。
刊行順にこだわらず『BREAK THE BORDER rebirth of ECHOES 』を読んでから『ECHOES』を読むのもよし。プレイの一挙手一投足、表情の1つひとつにキャラクターの性格が緻密に盛りこまれているだけに、ゆっくり眺めながら読んでほしい作品だ。2作を交互に読むなかで新たに気づくことがあり、“画面の情報”を自分なりに読み解いていく楽しみに出会える。主人公の青にかぎらず、お気に入りのキャラクターを追いながら読むのもオススメだ。
筆者が今一番知りたいのは、キャプテンにしてチームの不和の一番の元凶である金子の過去。リクエストできるなら次作はぜひ金子中心で! そろそろ金子の心からの笑顔も見てみたい。
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<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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