マンガは大好き! だけど、日々の忙しさのあまり、買ったマンガがどんどんと部屋に積まれていく……いわゆる「積ん読」状態になっている女子、多いのではないでしょうか。
今回は、そんな多忙な現代人のアナタのため、すぐに読める、短編集をチェック! 「女子マンガ研究家」の肩書きで活躍されている小田真琴さんに、オススメの3作品を選んでいただきました。
[※2013年から2014年10月に発売されたマンガ単行本のなかから選出をお願いしています。]
小田真琴さんイチオシの3作品!
『右足と左足のあいだ』雁須磨子
『右足と左足のあいだ』
雁須磨子 祥伝社 ¥670+税
(2014年6月7日発売)
当代一の短編の名手、雁須磨子先生による、大人の女性のための少女マンガ=女子マンガの究極形。
恋することの喜びも悲しみも、日々の生きづらさも、男女のすれ違いも、それでもなお楽しく生きるたくましさも、みんなこの1冊に詰まっています。
特にEDに悩む夫婦を描いた表題作と、メガネ女子のささやかなロマンスを描いた「おそるるにたり」が激しくオススメ。
『小僧の寿し』勝田文
『小僧の寿し』
勝田文 集英社 ¥419+税
(2014年2月25日発売)
本書に収録された「ととせの鴨」という作品が大好きで。
失恋したての30歳女子に言い寄る謎の紳士。2人は逢瀬を重ねるのですが、それでも女は男を信じられなかった。
「よし、じゃあこうしよう。これから10年、僕は毎日君を思うよ」「年に一度、そう、冬に鴨が来るのと同じように年に一度だけここで会おう」「そして10年後も君が僕と会ってくれたら結婚しよう」。
淡々と、しかし濃密に描かれたラスト7ページの"10年間"に、ふと涙があふれます。
新装版『このたびは』えすとえむ
『このたびは』
えすとえむ 祥伝社 ¥429+税
(2014年9月8日発売)
えすとえむ先生の出世作が新装版となって再登場。
これを機にもっと広く読まれてほしい、風格すら漂う見事な短編集です。
男女の機微を描く「ふつつかものですが」「はれ」、家族のさまざまな形を描く「K」「すすき」「このたびは」「凛」、そして新装版で新たに収録された「妹のこと」の全7編。
「すすき」の主人公が老夫婦のなれそめを聞いてみかんの皮をむきながら不意に涙するシーンが大好きです。あと、えすとえむ先生が描く「苦笑い」の表情も好き。
ほか短編集ではありませんが、1巻完結で草間さかえ先生『迷信話集 うつつのほとり』(リブレ出版)、磯谷友紀先生『恋と病熱』(秋田書店)、池辺葵先生『どぶがわ』(秋田書店)もオススメしたいです。
短編ですら長い! と言うのであれば九井諒子先生の見事なショートショート集『ひきだしにテラリウム』(イースト・プレス)をぜひ。
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