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『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』(武田綾乃/はみ/アサダニッキ)ロングレビュー! アニメ化決定! 少女たちの心重なる吹奏楽物

2014/12/30


吹奏楽部といえば、音楽を取り扱う文化系部活でありながら、楽器演奏において体力が重要な要素となるため、バリバリの体育会系的な気風があることでよく知られている。
さらに、目標となる大きな大会も存在しているため、本気で上を目指しそうとしたら、甲子園を目指す球児もかくやという厳しい活動内容が待っている。当然そこでは、部員同士の人間関係もシビアなものとならざるをえない。

部活に対するスタンスの差から、イザコザが発生することも……。

部活に対するスタンスの差から、イザコザが発生することも……。


第1話の後半、吹奏楽部の新たな顧問として着任した教師・滝昇は、久美子たち吹奏楽部員に部の目標を選択させる。

ついまわりに流されてしまう。主人公・久美子と同じ経験をした読者も少なくないはず。ともに吹奏楽経験者という原作者・武田と漫画家・はみが描く吹奏楽部のリアルな「今」にも注目したい。

ついまわりに流されてしまう、主人公・久美子と同じ経験をした読者も少なくないはず。ともに吹奏楽経験者という原作者・武田と漫画家・はみが描く吹奏楽部のリアルな「今」にも注目したい。


久美子をはじめ部員たちは、「なんとなく」その場の雰囲気に流されて、全国大会という目標を選ぶ。しかしそんな彼女たちに滝は厳しい言葉を投げかける。

顧問の滝昇は、一見柔和そうな外見とは裏腹、ずばりと斬りこむような言葉を放つ。今後の行動が気にかかるところ。

顧問の滝昇は、一見柔和そうな外見とは裏腹、ずばりと斬りこむような言葉を放つ。今後の行動が気にかかるところ。


部員のあいだで熱いドラマが生じるだろうことを予感させるように、吹奏楽部に集った少女たちはひとクセありそうなメンバーぞろい。
吹奏楽の名門校出身で、名前が特徴的な川島緑輝(サファイア)、一念発起して吹奏楽の世界に飛び込んだ素人の加藤葉月、そして、トランペットの名手で久美子とは何か因縁ありげな麗奈。

久美子を部に誘った加藤葉月、川島緑輝(サファイア)の2人。葉月は未経験者、緑輝は吹奏楽部の名門校の出身だ。

久美子を部に誘った加藤葉月、川島緑輝(サファイア)の2人。葉月は未経験者、緑輝は吹奏楽部の名門校の出身だ。


新入生代表をつとめるほどの才女でもある麗奈。トランペットの腕も超一流だ。久美子とは過去になにかあったようだが……。

新入生代表をつとめるほどの才女でもある麗奈。トランペットの腕も超一流だ。久美子とは過去になにかあったようだが……。


さて、そんな面々が、いったい、どんなアンサンブルを生み出すのか。先々の展開には興味が尽きない。

なお、このコミカライズは、もともとアニメ化の企画がきっかけとなってスタートしたもの。アニメは京都アニメーションによる制作で、2015年4月より放映予定とのこと。
また、原作小説公式サイトでは、コミカライズと並行して、キャラクターにスポットを当てたスピンオフ掌編も公開されている。
クロスメディア展開の行く末にも、要注目だ。


『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』コミカライズ担当のはみ先生から、コメントをいただきました!

はみ

このたびはロングレビューにてご紹介いただき、ありがとうございます。

武田先生の爽やかな原作、アサダ先生の魅力的なキャラクターの魅力を引き出せるようがんばっていきたいと思います。

吹奏楽経験のある方には「あるある!」、ない方には「こんな楽器もあるんだ!」と思っていただければうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。



<文・後川永>
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」(KADOKAWA)、「Febri」(一迅社)など。
Twitter:@atokawa_ei


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