吹奏楽部といえば、音楽を取り扱う文化系部活でありながら、楽器演奏において体力が重要な要素となるため、バリバリの体育会系的な気風があることでよく知られている。
さらに、目標となる大きな大会も存在しているため、本気で上を目指しそうとしたら、甲子園を目指す球児もかくやという厳しい活動内容が待っている。当然そこでは、部員同士の人間関係もシビアなものとならざるをえない。
第1話の後半、吹奏楽部の新たな顧問として着任した教師・滝昇は、久美子たち吹奏楽部員に部の目標を選択させる。
久美子をはじめ部員たちは、「なんとなく」その場の雰囲気に流されて、全国大会という目標を選ぶ。しかしそんな彼女たちに滝は厳しい言葉を投げかける。
部員のあいだで熱いドラマが生じるだろうことを予感させるように、吹奏楽部に集った少女たちはひとクセありそうなメンバーぞろい。
吹奏楽の名門校出身で、名前が特徴的な川島緑輝(サファイア)、一念発起して吹奏楽の世界に飛び込んだ素人の加藤葉月、そして、トランペットの名手で久美子とは何か因縁ありげな麗奈。
さて、そんな面々が、いったい、どんなアンサンブルを生み出すのか。先々の展開には興味が尽きない。
なお、このコミカライズは、もともとアニメ化の企画がきっかけとなってスタートしたもの。アニメは京都アニメーションによる制作で、2015年4月より放映予定とのこと。
また、原作小説公式サイトでは、コミカライズと並行して、キャラクターにスポットを当てたスピンオフ掌編も公開されている。
クロスメディア展開の行く末にも、要注目だ。
『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』コミカライズ担当のはみ先生から、コメントをいただきました!
<文・後川永>
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」(KADOKAWA)、「Febri」(一迅社)など。
Twitter:@atokawa_ei