部活動――それは、輝かしい青春の舞台。
特に、目標を掲げて、それに向けて邁進するような部の場合、舞台で繰り広げられるドラマはひときわ激しく、美しいものとなる。苦しいときに支えあい、ときには激しくぶつかりながら、お互いを高めていく部員たち。彼ら彼女らの、汗と涙の結晶が放つ輝きの魅力は、何物にもかえがたいものだ。
だからだろうか。部活動を題材にした作品は、小説、マンガ、映画などなど、ジャンルを問わず、数多く存在している。
そんな群雄割拠する「部活もの」フィクションの列に、今、新たな快作が加わろうとしている。『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』だ。
原作は、1992年生まれの新鋭・武田綾乃の手になる小説作品。
これを、原作のカバーイラストを手がけた、『青春しょんぼりクラブ』のアサダニッキによるキャラクター原案をもとに、コミカライズ。
作画を担当するのは、『少女サテライト』(芳文社)で注目を集めたはみ。清潔感のある絵柄で、『響け! ユーフォニアム』の世界を、爽やかに描き出している。
物語は、高校入学をきっかけに、流されやすい自分を変えようと思っていた黄前(おうまえ)久美子が、結局、新しくできた友人に手をひかれるまま、吹奏楽部へと入部するところからスタートする。