『逆転裁判』シリーズ、『ゴーストトリック』など、数々のヒットゲームを手がけているCAPCOMのゲームデザイナー・巧 舟(たくみしゅう)さん。
そんな巧さんがディレクターを務める、2015年7月9日発売の『逆転裁判』シリーズの新プロジェクト『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』と、『このマンガがすごい!』のスペシャルコラボ企画が実現! せっかくなので、当WEBサイトの連載コーナー「目ききに聞く」にもご登場いただきました。
さっそく巧さんにマンガについてうかがうと……『ちはやふる』『とめはねっ! 鈴里高校書道部』のような“部活もの”や『ベイビーステップ』『銀の匙』といった、普段あまり知る機会のない専門的な世界の新鮮な「常識」を体験できるようなマンガなど、お好きなマンガのタイトルが出るわ、出るわ!
それらに共通するのは、主人公が成長していく王道の物語!
今回は、『大逆転裁判』の主人公・成歩堂龍ノ介くんのように、「主人公が成長していくマンガ」のなかで、特にオススメする3作品を、巧舟さんに選んでいただきました。
巧 舟さんオススメの3作品!
『3月のライオン』羽海野チカ
『3月のライオン』
羽海野チカ 白泉社 \486+税
(2014年11月28日発売)
第1巻を読んだとき、やや“スロースターター”な印象を受けましたが、2、3巻あたりからグイッと引きこまれました。
なんといっても幅の広いキャラクターたちが魅力的。圧倒的強者から努力家、はては老境に差しかかった大ベテラン棋士まで、様々な立場にある棋士たちの、将棋にかける熱い想いが胸に迫ります。
主人公のライバルもいいヤツで、基本的に悪いヒトがいない優しい世界に癒される作品です。
『ジョジョの奇妙な冒険』荒木飛呂彦
『ジョジョの奇妙な冒険』
荒木飛呂彦 集英社 \390+税
(1992年11月発売)
ぼくが作っている『逆転裁判』シリーズは、「圧倒的に不利な立場からの“大逆転”をどう描くか」というのがテーマなのですが、それにはやはり、“魅力的で圧倒的な敵”の存在が不可欠。
『ジョジョ』は、その“魅力的で圧倒的な敵”の宝庫で、最後の闘いでは、「これはもう、ゼッタイ勝てない!」という状況からの説得力ある決着に感銘を受けました。
『ジョジョ』は大好きなシリーズなのですが、特に第4部「ダイヤモンドは砕けない」は、一見ふつうの街を舞台に、常識を越えた《頭脳戦》が静かに火花を散らしている感じが好きです。
『ガラスの仮面』美内すずえ
『ガラスの仮面』
美内すずえ 白泉社 \429+税
(1984年8月発売)
あまりにも有名なこの作品に出会ったのは、ちょうど『逆転裁判』の第1作目を作る直前のことでした。
キャラクター設定を考えていくうち、主人公の前に立ちはだかる、同世代の天才検事というライバルを出すことになったのですが、このとき頭に浮かんだのが、この作品登場する“完璧なライバル”姫川亜弓サマでした。
「狼少女編」までがとくに好きで、ここに至るまで、「これ以上の盛り上がりはないだろう」という予想を次々とくつがえす、物語のエネルギーが圧倒的な作品です。
『大逆転裁判』公式サイト