9月に入り寒暖の差が出てきたこの季節、そろそろラーメンが恋しくなってきませんか?
カップラーメン派、即席メン派、いやいやラーメンは店舗で食べてこそでしょ!…なんて、自分流のサイコーのラーメン談義に華を咲かせたことは、みなさんも一度ならずあるはず。
そんな日本人の国民食、「ラーメン」を扱ったマンガを「このマンガがすごい!」編集部が勝手に大特集!
今すぐまねしたくなる、簡単、おいしいラーメンから、本格的なラーメンマンガ…一風変わったラーメンマンガまで、どれを読んでもラーメンが食べたくなること間違いなしの厳選ラインナップ!
読んだらお腹がすくこと間違いなしのこの企画、読む準備はいいですか!?
…それではどうぞ!
『このマンガがすごい!2012』オンナ編1位
簡単おいしい塩ラーメン!
『花のズボラ飯』 久住昌之(作) 水沢悦子(画)
まずはコレ! 「このマンガがすごい!2012」オンナ編の第1位に輝いた『花のズボラ飯』。
単身赴任中の夫を待つ身の主人公・花がひとり暮らしなのをいいことに繰り返す、簡単かつスピーディ、でもうまい!「ズボラ飯」の数々が描かれる大人気「ズボラ食マンガ」の金字塔です!冷えこんできた冬の夜。仕事帰りの花が肉まんを買い食いしながら夕飯のネタを物色するなか、ひらめいたのがなんとインスタントラーメン!
「サポイチ塩」ことサッポロ一番塩ラーメンにたっぷりの野菜炒めをトッピングして、インスタントなのに栄養にも気を配る花がいじらしい。花ちゃんがうますぎて感涙する様子は必見です!
「サポイチ塩」だから、今日今すぐにでも食べることが可能なのもいいね!
レシピもおいしい! 心もほっこり! 国民的グルメマンガ
『クッキングパパ』 うえやまとち
続いて、知らない人はいないと言っても過言ではない国民的食マンガ。
連載開始から30年以上たった今でも講談社「モーニング」誌における現役の看板タイトルで、単行本も最新第133巻が間もなく発売という超ロングヒット作『クッキングパパ』。
“食の宝庫”九州・福岡の金丸産業に勤める荒岩一味(あらいわ・かずみ)は仕事もプライベートもバリバリこなす、ガタイも器も大きなお父さん。
主人公・荒岩係長が作る料理が、周囲の人間を笑顔にするストーリーは読む人さえも幸せにしてくれる。塩ラーメンの回では、部下の女性が失恋していることを即座に察して、何も言わずに荒岩特製手作り塩ラーメンを差し出し、涙が混じってちょっとしょっぱくなったラーメンをおいしそうにすする姿がたまらない。
続いての味噌ラーメンの回は、そんな部下の女性が新たな恋に出会う回。荒岩の指導のもと、女子2人で作った味噌ラーメンは、味噌のコク、ナッツのこうばしさがサイコーのラーメン。
麺打ちから始める、本格的なレシピがついているのも『クッキングパパ』のいいところ!
そして、ラーメンをきっかけに彼女の恋も!! とってもいい話ですよ。
銀河を渡る、超名作の意外なラーメンエピソード!
『銀河鉄道999』 松本零士
続いては、一風変わったラーメンマンガをご紹介しよう。
食マンガでなくても、ラーメンは何かと“特別な存在”としていろいろなマンガのなかに登場しますよね。その代表格がこの『銀河鉄道999』。
未来の地球においてラーメンは、原料が手に入らないことからたいへんな貴重品となっており、今や「人類の口の永遠の友」とまで言われる伝説の食べ物になっていた。主人公の星野鉄郎は銀河鉄道の停車駅「明日の星」で、生まれて初めてラーメンにめぐりあう。昭和の地球の風俗をそのまま残している「明日の星」。過去のままで時間の止まった世界において“明日”の意味するものは、はたして何か?
ラーメンを象徴的なものとして、松本マンガのテーマである「文明のありよう」にもつながる秀逸なエピソードです。
ラーメンといえばこの人! 日本一有名なラーメン好きのラーメンストーリー!
『小池さんの奇妙な生活』 藤子不二雄A
「ラーメン大好き」が上の句ならば下の句は……そう、「小池さん」!
「小池さん」は藤子不二雄A作品に頻繁に登場するモブキャラで、作者の友人であるアニメーター・鈴木伸一がモデル。それを踏まえたパロディタイトルもあるほどラーメン好きで知られるキャラクターを主役に配したのが『小池さんの奇妙な生活』だ。本来はマンガの脇役だったはずのキャラクターを主人公にすえた、まさに“奇妙な”短編。
冒頭には皆さんおなじみのあのオバケも登場しているので、そこにもご注目!
そして、そして…
『ラーメン大好き!』
久住昌之(作) 水沢悦子(画)、うえやまとち、魚乃目三太、
土山しげる、ボブ吉村(作)、吉田健二(画)、イシヤマアズサ、藤子不二雄A、松本零士、
柳沢きみお、石ノ森章太郎 宝島社 ¥590+税
(2015年9月12日発売)
みなさん!大ニュースです!
今までご紹介したラーメンマンガがすべて収録された最高のラーメンアンソロジー本が発売されているという情報をキャッチいたしました!
……なんて、すみません!すべて宣伝でございました~!
上でご紹介した以外にも
土山しげる『怒りのグルメ』
魚乃目三太『しあわせゴハン』
土山しげる『極道めし』
ボブ吉村+吉田健二『ぶかつ麺!』
イシヤマアズサ『真夜中ごはん』
柳沢きみお『大市民』
……と、様々なジャンルから厳選された全11組・合計13エピソード、どれもこれもラーメンが食べたくなっちゃうラーメンテロマンガ!
なんと、大トリにはあの大巨匠・石ノ森章太郎による傑作短編『トキワ荘のチャルメラ』も収録!
「トキワ荘」というのは、巨匠・手塚治虫に憧れて漫画家をめざし、後に大成する若者たちがかつて住んでいたマンガ好きなら知らぬ者はいないアパートのこと。入居者は兄貴格の寺田ヒロオを筆頭に安孫子素雄(のちの藤子不二雄A)、藤本弘(のちの藤子・F・不二雄)、つのだじろう、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、そして前述の「小池さん」こと鈴木伸一もいたんです。
主人公(石ノ森)の青春時代、ラーメンにまつわる夢いっぱいだけどちょっとせつない思い出を描いた一編。
トキワ荘の面々が本当にやっていたおいしいインスタントラーメンの作り方も掲載されているから、ぜひチェックして作ってみてください!(けっこうカンタンなのにウマイんです)
巨匠たちの青春の味をぜひ!