言わずと知れたオタクの聖地・秋葉原。アニメ、ゲーム、アイドル、メイド――豊富なエンタメがせめぎあう、この街の人々は、どんなマンガが好みなのか。
女子高生たちのほのぼの日常系マンガや、ちょっとカーチャンに見つかったら気まずい系のマンガが、ラインナップされるかと思いきや…!?
紹介いただいた作品はいずれも、学園でほのぼのするどころか、中世ヨーロッパを想わせる血生臭い戦場で、トンデモないことに!
ケイ・ブックス秋葉原新館の店長・藤田陽さんに最近動きのある4作を伺った。
ケイ・ブックス秋葉原新館 オススメの4冊!!
『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』第4巻 柳内たくみ(作) 竿尾悟(画)
\756 アルファポリス
(2014年4月20日発売)
原作となったライトノベルとともに大人気の本作。シリーズ累計120万部のベストセラーノベルのコミカライズ作品で、四六版のラノベ、文庫版のラノベとともに常に売れ続けています。
原作者の柳井たくみ先生は元・自衛官でもあり、ライトノベル版『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』も内容が濃いことからとても人気でした。コミカライズされたことで、さらに間口が広がって、コミック購入者もノベル購入者もそれぞれ増えたように感じます。
いわゆるタイムスリップものの『戦国自衛隊』に近い内容で、自衛隊が異世界(ファンタジー世界)で活躍するというお話。
軍略を駆使してドラゴンと戦ったり、萌え要素のあるエルフや魔法使いと仲間になったり……「ファンタジー×ミリタリー」というオタクの大好きなものが詰め込まれています。
コミックス最新刊も、原作ではまだ序盤のほう。これからも楽しませてくれそうです。
同じく、ラノベのコミカライズ作品では『All You Need Is Kill』も大人気。こちらは『DEATH NOTE』や『バクマン。』でおなじみの小畑健先生が作画を担当しています【日刊マンガガイド『All You Need Is Kill』はコチラ】。
小畑先生が作画ということで話題なのはもちろん、トム・クルーズ主演で映画も上映しており、ちょっとチート状態(?)で売れまくっています。
『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』第2巻 大西巷一
\670 双葉社
(2014年5月10日発売)
このマンガ、とにかく設定がエグいです! その絶望的なシチュエーションが話題を呼んだのか、当店ではかなり人気。
15世紀のヨーロッパを舞台に美少女が銃を持って戦うといった内容なのですが、これがなかなか救いようのない展開ばかり。
序盤は、ヒロインである少女とヒロインを想う少年が、まるで『天空の城ラピュタ』のシータとパズーのような関係で物語が進んでいくのですが、そのパズー(みたいな少年)が物語中盤で胴体をちぎり飛ばしながら爆死するという……。
著者の大西巷一先生は『ダンス・マカブル ~西洋暗黒小史~』などの過去作品でも、かなり暗くて絶望的な内容を描いていましたが、本作でもやはりそれは健在。
トガった絶望感をそのままに、意外なストーリー性と金髪美少女といったエッセンスを加えたことで、前作とはまた違ったおもしろさがあります。
『ホークウッド』第5巻 トミイ大塚
\637 KADOKAWA/メディアファクトリー
(2014年4月23日発売)
1巻発売時から一貫して売れ続けている本作。こちらも中世ヨーロッパの戦いを舞台にしたお話なのですが、とにかくその視点が斬新!
主人公は金をもらって戦う、雇われ兵である"傭兵"。「敵も味方も金しだい」という傭兵目線で描かれているため、「なにが正義でなにが悪か」といった倫理で戦うのではなく、メリットのあるほうの味方となって、戦場を渡り歩いていきます。今日の敵は明日の味方、逆に今日の味方が明日の敵というのは、かなり新鮮なんじゃないでしょうか。
傭兵団の合戦絵巻であるため、もちろん戦闘シーンでの迫力も魅力的ですが、それ以上に傭兵ならではの戦い方に目を奪われます。
名誉を重んじる騎士の心情を逆に利用したり、買収したり、裏切ったり……戦闘シーンだけじゃない傭兵流の頭脳戦にはすごい! の一言です。
単行本の刊行ペースが7ヶ月に1度くらいなため、続きが本当に待ち遠しくて仕方ありません!
『ストラヴァガンツァ』第2巻 冨 明仁
\670 KADOKAWA/エンターブレイン
(2014年4月14日発売)
フルフェイスの甲冑と露出の激しい衣をまとった王女様が戦場を駆け巡るというアクション・ファンタジー。このキャラクターの見た目のインパクトもあってか、アキバの人々にかなり愛されている一冊です。当店でも大プッシュしています。
とにかくアクションシーンの描写がすごい。力強く、美しく、鉄仮面をしていても表情が伝わってくる画力は必見です!
こちらは「ハルタ」で連載されているのですが、同誌の連載作では『狼の口 ヴォルフスムント』。
もアキバの人々には定番で人気。
じつは1巻は意外に売れていなかったのですが口コミでどんどん話題になっていき、2巻以降は爆発的に売れていきました。当店でも、たびたび品切れ状態になる人気ぶりです。
こちらは読者の裏の裏の裏をかいた展開がたまりません。残酷描写が苦手な方にはオススメできませんが、苦手でなければぜひ一度読んでいただきたい一冊です。
アキバ最大級のサブカルショップ誕生!!
ケイ・ブックス秋葉原本館・新館は、2014年7月6日の営業をもちまして、
AKIBAカルチャーズZONEでの営業を終了とさせていただきました。
7月20日より、ラジオ会館にてパワーアップし、リニューアルオープンいたします。詳しくはホームページをチェック!
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