業界注目度No.1!?
「このマンガがすごい!WEB」が誇るランキング選者に協力いただくアンケート集計をもとに、決定される毎月恒例の「このマンガがすごい!」ランキング。今月のランキングは……。
オンナ編第1位は、『鋼の錬金術師』『銀の匙 Silver Spoon』『アルスラーン戦記』といった大ヒットメーカー・荒川弘先生の農業エッセイです。本作のなかで、マンガを描くヒマがないなら「寝なきゃいいじゃん!!」と言い放った荒川先生。
……いや、とは言いましても……と常人なら思ってしまいますが、荒川先生はなんとかしてしまうんです! ただただすごい!
そんな先生に対する絶賛コメント、そして2位以降のランキングをさっそく見ていきましょう!
(2016年2月1日~2月29日発売作品を集計)
第1位(162ポイント)
『百姓貴族』 荒川弘
『百姓貴族』
荒川弘 新書館
漫画家になる以前は出身地の北海道・十勝で酪農に従事していた作者の実体験にもとづくエッセイコミック。
農家の結婚式から農閑期の過ごし方、個性的な「親父殿」をはじめとするキャラクターの巻き起こす様々な騒動を赤裸々かつリアルかつおもしろおかしく描いて、そのテンションの高め安定ぶりには脱帽。
『銀の匙』『アルスラーン戦記』など、複数連載をかかえながらも、農業に全力で打ちこむ著者。そのエネルギーはいったいどこからきているのか!?
オススメボイス!
■待ち望んでいた4巻目! あいかわらず親父殿の超人話がすごすぎる! 農業にまつわる人同士の交流もうかがえてよかった。現住居・伊豆でも鹿害に困っているので、鹿肉のうまさを広めてください……(和智永妙/ライターたまに編集)
■4巻になってもまだまだあふれてくる北海道農業のクレイジーさがただただすごい。実家が農家の私から言わせてもらうと、こんなにクレイジーなのは北海道だからですからね!(フラン/ブログ「フラン☆Skin」管理人)
■約2年ぶりの新刊。著者の持つエネルギーは無尽蔵!? 体力、気力、精神力、少しでいいのでわけてもらいたいです(滝川レイ/フリーカメラマン)
第2位(138ポイント)
『13月のゆうれい』 高野雀
『13月のゆうれい』
高野雀 祥伝社
“女であること”に違和感を抱きながら生きているネリと、女装が趣味の双子の弟・キリ。3年ぶりに街でばったり出会った2人は、自分たちの性別と心が本当は逆なのではお互いに悩んで……。
ネリが合コンで見そめた男・周防の“彼女”がキリで……という衝撃的な展開とともに始まる物語。女と男と女装男子の奇妙な三角関係はこの先どうなる!?
オススメボイス!
■あいかわらず高野雀さんのセリフまわしは秀逸。早く主要人物である周防くんが髪を解いた姿が見たい(早川博志/恭文堂コミッククラフト店)
■ジェンダーに外堀を埋められ、人生をこじらせまくっているネリとキリに共感せずにいられない! 作者ならではのシンデレラ解釈にも唸らされまくり。いびつなようでピュア極まりない三角関係から目が離せません!(井口啓子/文化系ライター)
■女、男、女装男子の三角関係。飄々としながら、さらっと深いところを突いてくる感じが、とても好きです(かとうちあき/「野宿野郎」編集長(仮))
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!
第3位(106ポイント)
『カルト村で生まれました。』 高田かや
『カルト村で生まれました。』
高田かや 文藝春秋
「私有財産」という概念のないコミュニティ「カルト村」で生まれ、19歳までそこで育った著者が、結婚した夫のすすめで自分の少女時代をふりかえって描いた実録コミックエッセイ。
コミックエッセイ専門WEBで連載スタートするやいなや大反響となった作品。
読者たちの住んでいる社会と隣りあわせに存在している現実の村の、一見非常識なしきたり。これが「実録」って本当!? と目を疑いたくなるような事実が……!
オススメボイス!
■ヤマギシ会の共同体を子ども時代に体験した著者のコミックエッセイだが、70年代の左派系の教育・文化運動を描いた『滝山コミューン』のような、健全さとグロテスクさが入り交じったものであることが読みとれ、左派であるぼくは非常に興味深く、かつ複雑な気持ちで読んだ(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
■マゾヒストが自分の子どもを巻きこんでまで被虐の快楽に浸るヤマギシズムのグロテスクさがある。しかし、筆者はそのグロテスクさを今もまだ否定できず「郷愁の子ども時代」として描いてしまう。この温度差こそ、本作の魅力だ。普通であればショッキングな子どもの虐待風景があまりにも淡々と描かれる(侍功夫/映画評誌「Bootleg」代表/映画ライター)
■怖いもの見たさで購入。親と子が別々に暮らすなど、様々なルールが敷かれているカルト村。労働とか体罰とか、これって本当に平成のお話!?(トロピカルあいこ/ライター)