TVアニメ『バッテリー』あいつが投げ続けるかぎりおれも捕り続ける――　20年の時を経て、“あの”バッテリーが「ノイタミナ」で復活！【あのアニ】

2016/06/09

「あの話題になっているアニメの原作を僕達はじつは知らない。」略して「あのアニ」。

アニメ、映画、ときには舞台、ミュージカル、展覧会……などなど、マンガだけでなく、様々なエンタメ作品を取り上げていく「このマンガがすごい！WEB」の人気企画！
そう、これは「アニメを見ていると原作のマンガも読みたいような気もしてくるけれど、実際は手に取っていないアナタ」に贈る優しめのマンガガイドです。「このマンガがすごい！」ならではの視点で作品をレビュー！　そしてもちろん、原作マンガやあわせて読みたいおすすめマンガ作品を紹介します！

今回紹介するのは、『バッテリー』

『ハチミツとクローバー』『働きマン』『のだめカンタービレ』など、話題作を連発してきたフジテレビの「ノイタミナ」枠で、2016年7月から『バッテリー』が放送されることが決定！

原作は、1,000万部を超える野球小説の金字塔。天才ピッチャー・原田巧とキャッチャーの永倉豪が出会い、バッテリーとして互いに成長していく姿を主軸に、青春時代の切なさやもろさを描いた名作。これまでに、コミック、映画、ドラマ、と何度もメディアミックスが展開されてきたが、ついにこの夏アニメに！

今回のアニメ化に寄せて、原作者のあさのあつこは「20年経ってなお、アニメとなったあの世界と新たに出会える。感慨深いものがあります」とコメント。そう、「バッテリー」は、シリーズ開始から今年で21年目を迎えるのだ。

長い時間をかけて愛され続けてきた名作の新たな魅力を引き出そうと、制作スタッフ陣の気合も十分。監督・脚本は、映画『海がきこえる』の望月智充。アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督には、アニメ『ハイキュー!!』の作画監督としての活躍が記憶に新しい草間英興。音楽はドラマ『未成年』の千住明が担当し、青春の一コマをより鮮やかに印象づける。

マンガ好きならぜひ注目したいのが、キャラクター原案をマンガ『放浪息子』などの著者としても有名な志村貴子が担当しているところ。志村貴子は、今月から「月刊コミックビーム」」で本作のコミカライズを集中連載を開始する。アニメとあわせて、『バッテリー』ワールドの広がりを楽しみたい

巧の躍動感あふれる投球フォームがどう映像化されるのか楽しみだ。

そしてもちろん、キャスト陣にも注目！　主人公の原田巧役には、『キングダムハーツ』シリーズや『機動戦士ガンダムUC RE:0096』で注目を集める若手実力派・内山昂輝が抜擢された。もうひとりの主人公で、巧とバッテリーを組む永倉豪役に抜擢されたのは、『うしおととら』や『僕のヒーローアカデミア』で強烈なインパクトを残した畠中祐。
20年という節目を迎えて、新たな展開へと漕ぎだした『バッテリー』シリーズにみずみずしい命を吹き込む2人の若手声優に大きく期待したいところだ。

青春の熱と痛み、未熟さゆえの葛藤、そして限られた時間のなかでこそ輝く、まっすぐな思い――。この夏は、アニメ『バッテリー』でとんでもなくピュアな思いに浸りたい！

『バッテリー』のアニメを観る前に……

何を隠そう、「このマンガがすごい！WEB」は、マンガの情報サイト！そんなわけで、アニメ『バッテリー』をさらに楽しみたいアナタに、読んでほしいマンガを紹介しちゃいますよっ。

『新装版バッテリー』柚庭千景（画）あさのあつこ（作）

『新装版バッテリー』第1巻
柚庭千景（画）あさのあつこ（作） KADOKAWA ￥580+税
（2016年3月24日発売）

原田巧は、小学生ながら天才ピッチャーとして注目される。ある日、巧は同じく小学生キャッチャーである永倉豪と出会い、バッテリーを組むことになる。
巧の才能と情熱が豪の心を惹きつけ、また巧も豪の気持ちに後押しされながら、2人は絆を深めていく。先輩たちからのいじめや、好敵手との出会い、最後の大会への思い――。ひりつくような思いを共有しながら、名バッテリーとして成長していく2人の姿が描かれた青春野球ストーリー。

柚庭先生のかわいらしい絵柄によって「ポップさ」が加わり、爽やかな仕上がりになっている。縦社会においての下級生・上級生との関係性、同級生同士の絆、バッテリーのあり方……思春期の青少年たちの葛藤に胸がしめつけられる良作だ。

『バッテリー』のコミカライズ以外に、このマンガもおすすめ！

『群青にサイレン』桃栗みかん

『群青にサイレン』第1巻
桃栗みかん　集英社￥440+税
（2015年11月25日発売）

『いちご100％』『初恋限定。』（いずれも「週刊少年ジャンプ」掲載）の「河下水希」名義でもなじみのある著者の青春高校野球ストーリー。現在「月刊YOU」で連載中だ。
小学校の野球クラブで、いとこの空にエースの座を奪われ、修二は野球をやめてしまう。高校生になり、修二はまた野球を始めようとするが、入学式で因縁の相手・空に再会する。再び野球部のチームメイトとなる2人。ある時、監督から空がピッチャー、修二はキャッチャーに指名されてしまい……。

空の才能に嫉妬する修二と、修二と野球がしたい空。修二の空に対する劣等感、葛藤が非常に丁寧に描写されており、野球マンガとしてはもちろん、青少年の成長物語としても楽しめる作品だ。