業界注目度No.1!?
「このマンガがすごい!WEB」が誇るランキング選者に協力いただくアンケート集計をもとに、決定される毎月恒例の「このマンガがすごい!」ランキング。今月のランキングは……。
今月のオンナ編第1位は、panpanya先生の約1年半ぶりの新刊! 『蟹に誘われて』『足摺り水族館』などで読者を魅せてきた独特の世界観は、本作でも健在。それに加え、panpanyaの新たな一面も!?
さっそく見てみましょう!
(2016年11月1日~11月30日発売作品を集計)
第1位(138ポイント)
『動物たち』 panpanya
『動物たち』
panpanya 白泉社
「動物」をテーマに、雑誌とそのWEB増刊に掲載された13編に加え、同人誌発表作などを収録。また、用語集や日記なども収められて、panpanyaの妖しくも軽妙で不思議な世界観を堪能できる。
「このマンガがすごい!WEB」でも新刊が出るたびに話題となっていた著者の最新作。早くも目ざといマンガファンの心をがっちりつかんでいます。
オススメボイス!
■毎度おなじみpanpanyaさんですが、今回は猯(まみ)や狢(むじな)といった動物たちを中軸に少しポップさが増した印象。ちょっとメジャー感が出てきていいですね(漫画トロピーク/謎の社会人漫画サークル)
■個人的「知りあいにプレゼントしたくなる本オブザイヤー」受賞。「とにかく読んで、読んで」と渡したくなる。繰り返し読んでニヤニヤしてしまう、いとおしい本(杉山陽一/COMIC ZIN 秋葉原店 コミックバイヤー)
■panpanya先生ワールドへようこそ。……はい。もう抜けだせません(福丸泰幸/喜久屋書店漫画館京都店 店長)
第2位(98ポイント)
『傘寿まり子』 おざわゆき
『傘寿まり子』
おざわゆき 講談社
ベテラン作家の幸田まり子は、息子夫婦や孫夫婦との間で住居問題に悩み、老人の自分には居場所がないことを感じる。
家出を決意した彼女は、ネットカフェで暮らし始めるが……?
女性向けマンガ誌において忌避されがちな「老い」というテーマにまっこうから挑み、ひとつのエンタテインメントに仕立てた著者の強い意志に共感の声多数!
オススメボイス!
■加齢を「絶対悪」とする風潮を積極的に後押ししたりなんとなく肯定したりしている方は、これから老いるしかない自分の人生をどう考えているのだろうか。そして実際、歳をとると人生はつまらなくなってしまうものなのだろうか。そんな疑問に対して本作は全力でNOという。老いを楽しみ、家を失えばネットカフェでマンガを楽しみ、捨て猫を拾えばその存在がまた生きる糧となる。ちなみに本作は「BE・LOVE」(講談社)にて連載中。そういえば『たそがれたかこ』も「BE・LOVE」だ。同誌の明確なメッセージを感じる(小田真琴/女子マンガ研究家)
■80歳の後期高齢女性が家出するという、この題材をよく女性向け雑誌でやるものだと平伏。自分や家族に置き換えて考えてみるべし。「フィクションは人生のシミュレーション」という側面を強く感じさせる(加山竜司/フリーライター)
第3位(86ポイント)
『ミッドナイトブルー』 須藤佑実
『ミッドナイトブルー』
須藤佑実 祥伝社
2年に1回、会おうと約束していた日に死んだ同級生の幽霊に会う表題作のほか、テレビのアナウンサーを好きになった女子高生を描いた「夢にも見たい」、田舎で出会った不思議な少女の物語「今夜会う人」など、7編を収録した短編集。
シンボリックな青い色で彩られた作品は、過ぎ去りし青春時代を思い出させる、ちょっとせつないノスタルジーが胸にじわりとしみます。
オススメボイス!
■ここ最近発売された短編集では群を抜いておもしろかった。気の利いたおもしろいオチに、少しのせつなさを添えて、冬の夜にゆっくりと読みたい1冊です(いづき/ブログ「おとよめ」管理人)
■フィールコミックスの新しい柱になってくれそうな作家。装丁買いした人は正解。題名のとおり、中身もブルーで印刷されていて、凝ったつくり。読んでせつない過去を思い出すのもたまにはいいのでは(早川博志/恭文堂コミッククラフト店)
■少し大人向けの男性にもオススメな短編集。一見ドライなんだけど温かみのある作品集(太田和成/あゆみBOOKS五反田店 コミック担当)