要注目なのが第6話の「ジュラシック・ビフ」。
ビフといえば今何かと話題のあのドナルド・トランプ大統領をモデルにした悪漢だが、パート2で78歳となった2015年のビフが、隙を見てデロリアンに乗りこみ、過去を変えてしまうシークエンスを思い出してほしい。
ビフは1955年にタイムトラベルし、学生時代の自分に未来のスポーツの結果が記録された年鑑を渡して2015年に戻ってくる。
だが、タイムマシンの操作などしたことのなかった彼は、じつは誤って恐竜時代に迷いこんでいたというのだ!
一方、クララ視点で展開する第9話「クララの話」では、幼少期から宇宙やSF小説に夢中だったクララがドクと出会うまでと、マーティを未来に帰した後のエピソードが描かれる。
ジュールとヴェルヌ(夫婦そろって大ファンのフランス人作家、ジュール・ヴェルヌから由来)という2人の息子に恵まれたドクは、妻に未来旅行をプレゼントするため、機関車を使ったタイムマシンの製作を開始する。これが3部作のエンディングに直結するのだ。
そのほかにも、マーティの父・ジョージと母・ロレインが無事カップルとなった1955年のその後、第1作のエンディングで、ドクが初めて2015年へタイムトラベルした直後など、見逃せないエピソードがズラリ。
巻末には美麗なイラストギャラリーも収録されており、眺めているだけでワクワクが止まらない。
何度鑑賞してもすこぶるおもしろく、常に発見のある『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作。
映画では描ききれなかった重要なエピソードを『アントールド・テイルズ』で埋めることで、さらにシリーズが楽しくなることうけあいだ。
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<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。