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【日刊マンガガイド】『信長の忍び』第8巻 重野なおき

2014/09/09


NOBUNAGAnoSHINOBI_s08

『信長の忍び』第8巻
重野なおき 白泉社 \571+税
(2014年8月29日発売)


織田信長に仕える女忍者・千鳥を主人公とした、戦国ギャグ4コママンガの最新第8巻。おっとりしていて天然だが、忍者の技量は超一流の千鳥が、戦場に諜報活動にと大活躍し、信長の天下統一事業を影から支える。物語は歴史事実に沿って進んでいくので、4コマでありながらも、通読すると歴史の流れとストーリーが浮かび上がってくるのが特色で、戦国時代の流れがわかるのもうれしい。今巻では織田・徳川連合軍が武田信玄と激突した「三方ヶ原の戦い」が物語の主戦場となる。

戦国時代の記録で驚かされるのが、情報伝達の速さと正確さである。ネットや電話がないのは当然、交通網すらマトモに整備されていないのに、各地で起きた事件や合戦の詳細は、またたく間に知れ渡っていた。優秀な戦国大名は、独自の情報網(忍者など)を持っており、情報を武器としていたのだ。

『信長の忍び』8巻では、忍者にとって最重要任務である「情報を持ち帰る」ことがテーマとなる。しかもその情報は「武田信玄の病死」という超A級極秘事項! その真偽を探るために千鳥は武田軍の陣に忍び込むことになるが……。ギャグマンガの本作だが、今巻ではかなりシリアスな展開になる場面も。ギャグとシリアスの起伏に、ドギマギすること必至だ。
また、連載150回を記念して、掲載誌「ヤングアニマル」(白泉社)15号に掲載された西尾維新の小説『りぽぐらの忍び』もコミックス8巻に収録。千鳥を主人公とした短編小説で、西尾維新らしい言葉遊びの「仕掛け」が施されている。

ちなみに、信長の生涯を振り返るうえでの最重要史料といえば『信長公記』だ。信長生誕から美濃攻略までの事跡を首巻とし、信長上洛の年(1568年)から本能寺の変(1582年)まで1年を1巻とする全16巻の記録資料である。全体の約1/5に相当する首巻は、歴史事実の誤認(桶狭間の戦いの年など)や事実不明な逸話も数多く収録されている一方で、幼少期の信長に関するエピソードなど、読み物としては抜群におもしろい。
この首巻の時代(信長の前半生)を題材とするのが『信長の忍び外伝 尾張統一記』(『信長の忍び』8巻と同時発売)だ。幼少期から元服、婚姻、家督相続と描かれ、尾張統一事業から桶狭間の戦いへと向かう(白泉社「ヤングアニマル嵐」にて連載中)。
ますます広がりを見せる『信長の忍び』ワールド、戦国時代の入門編として最適だ。戦国時代に興味がある人も、楽しい4コマギャグを読みたい人も、ぜひともチェックしてほしい。



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでのマンガ家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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