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8月27日は「益軒忌」 『貝原益軒の養生訓』を読もう!【きょうのマンガ】

2017/08/27


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

8月27日は益軒忌。本日読むべきマンガは……。


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『貝原益軒の養生訓』
ジョージ秋山 海竜社 ¥1,300+税


8月27日は「益軒忌」。
江戸時代の本草学(中国古来の植物などを主にする薬物学)者、儒学者であり、健康指南の書『養生訓』の著者・貝原益軒の忌日に由来する記念日だ(ちなみに亡くなった日は1714年、旧暦の8月27日で、西暦換算では10月5日にあたる)。

85歳まで生きた益軒は、当時としてはかなりの長寿といえるだろう。
しかも幼小時は病弱だったそう。知識だけでなく実践から書かれた『養生訓』がベストセラーとなったのもうなづける。

その『養生訓』を読み解き、163の教えをピックアップ。
『浮浪雲』で知られるかのジョージ秋山が、現代人に理解しやすい言葉とマンガで綴ったのが本作である。

食についてのアドバイスが目立つが、それ以外に生活全般……睡眠、仕事や時間の使い方についての心がけから、セックスに関することまで。
また「人を嫉む心を捨てる」「心を平静にする」といったメンタリティについての言及も多い。

本作に登場する黒ひげ先生は、「養生の道とは、あたりまえのこと。だが、そのあたりまえが難しい」と説く。
そう、『養生訓』が伝えているのは、生まれてきたことへの感謝を忘れず、幸せに楽しく生きるための術だ。生と素直に向きあい、欲をかかず何事も“ほどほど”に……。
なるほど、『浮浪雲』の主人公・雲のモットー「小事を気にせず流れる雲のごとし」は、まさに『養生訓』に書かれた生きる姿勢とぴったりマッチする。

ジョージ秋山の絵柄と語り口で“現代語訳”された本作は、健康本であり人生哲学の書として手もとに置いておきたい1冊である。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

単行本情報

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