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『女子高生に殺されたい』第1巻 古屋兎丸 【日刊マンガガイド】

2015/02/24


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『女子高生に殺されたい』第1巻
古屋兎丸 新潮社 \640+税
(2015年2月15日発売)


 

これ、超おもしろい!

そんな断言調でだれかれかまわず薦めたくなってしまう、久々に振り切れまくったマンガがこちら。タイトルまんま、女子高生に殺されたいという願望を抱く男のお話。
著者は人間の狂気を圧倒的画力で耽美かつシュールに風刺を込めて描きだす鬼才・古屋兎丸。

デビュー当時はアンダーグラウンドなイメージもあったが、近年は「ジャンプSQ.」でギャグ作品を発表。
人気を博していたこともあり、本作も直球すぎるタイトルのせいもあって「ギャグ?」とすら思っていたのだが……。

「まともじゃないのはわかっている 僕はいつからこんな考えを持つようになったんだろう」と、主人公の東村がこれまでの人生を振りかえる冒頭のモノローグ。

みずからがオートアサシノフィリア(自分が殺されることに性的興奮を憶える性的嗜好)であることに気づき、だれでもいいわけではなく女子高生に殺されたいのだと自覚するに至るや、進路を変更して高校教師に就任。
ある少女にターゲットを絞って「理想の殺されかた」をするために綿密な計画を練りあげてゆく。
その冷静かつ穏やかな語り口は、まさに「真綿で首を絞める」がごとし。リアルな心理描写と緻密に練られたプロットも完璧で、ジワジワと高まってゆく緊張感に、息苦しさすら感じるほど。

さらに、ターゲットの女子高生・真帆は東村に好意を寄せているのだが、じつは彼女には“ある秘密”があって……。
真帆の親友のぽよ子(アスペルガー)、東村の元カノのスクールカウンセラー(臨床心理士 )も、一筋縄ではいかないキャラで、思わず「ありえねー!」とツッコミたくなる「過剰さ」も、園子温監督の映画に通じる感じでたまらない。

で、1巻読了と同時に、つづきが気になる~~!!!!と悶えながら、残りページをめくったところ、2巻予告のページには「2016年発売予定」と……。
これも兎丸先生の計算された心理プレイなんでしょうか?

いずれにしても、著者の最高傑作となりそうな予感大のサイコホラー・エンタテイメント。
この興奮と悶絶を、あなたもぜひ!



<文・井口啓子 >
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて『おんな漫遊記』連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69

単行本情報

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