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【日刊マンガガイド】『マーダー・インカーネイション』第2巻 菅原敬太(作) 稲光伸二(画)

2014/07/25


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『マーダー・インカーネイション』第2巻
菅原敬太(作) 稲光伸二(画) 双葉社 \620+税
(2014年7月10日発売)


大切な人を「死」で失ってしまった者のもとに突然現れる、場違いに明るいツインテールの少女・美国麻夜。そんな彼女は「ある条件を満たせば甦らせることができます」と言う。その条件とは、24時間以内に誰でもいいから3人殺すこと──。
追い詰められた心理状態でいわゆる「究極の選択」を迫られた人がとる行動を描く、オムニバス形式のホラー・サスペンスが本作だ。

もっとも、ホラー的な要素は麻夜の存在(いったい彼女が何者なのかはまったく謎のまま)のみであり、生き返った者が人間ではない……なんて、スティーヴン・キングの『ペット・セマタリー』のような恐怖は一切ない。ストーリーの焦点は、3人の人間を殺すサスペンス部分にほぼ絞られている。

作画を担当するのは、ライトタッチのエロティックSF『性食鬼』が好調な稲光伸二。しかし本作に『性食鬼』の実用性……いや、かわいさを期待してしまうと、間違いなく肩すかしを食らうだろう。むしろテイストとしては、原作を担当している菅原敬太の『走馬灯株式会社』のほうが、ぐっと近い。

しかし、非常に無機質な作画を貫く本作での稲光のいつもと違うタッチは、殺人そのものはかなり淡々と描かれる本作にはマッチしているといえるだろう。どこか突き放されたような不思議な読後感は、この冷たい絵柄に依るところも大きい。

完結編となる第2巻は、2つのエピソードを収録。特に最終エピソードは、その奇妙な感覚の真骨頂かもしれない。
いい意味で「これで終わりかよ!」と言いたくなる結末は、ぜひみなさんにもその目で確かめてもらいたい。



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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