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『バイバイ人類』 第1巻 渡辺恒造(作) 萩原あさ美(画) 【日刊マンガガイド】

2016/07/22


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『バイバイ人類』


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『バイバイ人類』 第1巻
渡辺恒造(作) 萩原あさ美(画) 集英社 ¥400+税
(2016年7月4日発売)


謎のパンデミックを題材にした作品。
病むわけじゃない。死体になるわけでもない。「何か」に乗っとられて、人々が意識外の行動を取り始めて、人を襲っているらしい。
周囲の友人たちも次第に「知らない何か」になっている。
そもそも見た目が変わらないので、乗っとられたかどうかもわからない。
恐怖で部屋に閉じこもる子、果敢に立ち向かう決意をする子。
まだ生きている、感染した人間を助けたいと願った少女・真山は、救うために戦うことを決意する。

この物語最大のキモは、真山が身のまわりにあるものを組みあわせて、武器や防具にしていく、手作り戦闘の技術描写だ。
アルミの粉とネイルエナメル。どちらもすぐに手に入る。
これを計りながら混ぜあわせて、彼女は閃光弾を作成する。相手は一応生身の人間。
怪我をさせず、光で目をくらませて、ひるませるのだけが目的だ。
学校ではプロパンボンベ、酸素ボンベ、消毒用アルコールにオキシドールにAEDを使って……何ができるかは読んでのお楽しみ。

また、サバイバル用品を常に持ち歩いているのもおもしろい。小型電池、接着剤、パソコンのホコリ取りに、発煙筒。コンタクトマイクまで持っている。何に使うんだ?
父親の影響で、常に自分の身を守れる対策をするのが習慣になっている、とはいえ「こんなこともあろうかと」を地で行く彼女、頼もしすぎる。

あまりに冷静沈着すぎて超人に見える真山。
じつは彼女は恐怖で動けなくなった時に、自分がやるべき手順を声に出すことでおびえをごまかす、という手段を取っているだけで、やっぱり怖いらしい。
発明しながら戦う彼女の説明的なセリフが、周囲の人間のパニックを落ちつかせている。

第1巻は防戦一方。第2巻からは攻めに転じられるか? 不殺をかかげる彼女、現時点では光は見えない。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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