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7月27日は「お寝坊さんの日」 『銀河英雄伝説』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/07/27


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

7月27日はお寝坊さんの日。本日読むべきマンガは……。


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『銀河英雄伝説』 第1巻
田中芳樹(作) 道原かつみ(画) 徳間書店 ¥533+税


本日7月27日は、フィンランドでは「お寝坊さんの日」として定められている。
その由来は、聖母マリアが晩年を過ごしたと言われているトルコ西部のエフェソスという町の伝承「7人の眠り男」だ。
キリスト教が迫害されている時代、追われる身となった信者たちが洞窟のなかに隠れて眠り、目覚めるとキリスト教が認められる時代になっていた……というエピソードである。

「それを記念した日なら、1年に一度だけ寝坊が許されるってこと?」と思いきや、まったくそんなことはない。「National Sleepy Head Day」というフレーズで検索をするとわかるが、水に投下するなどといった様々な方法で寝坊した人間をたたき起こす日なのだ。
記念日だからこそ、ふだん以上に寝坊した人間に厳しくなるらしい。

というわけで、今回は道原かつみが手がけたマンガ版『銀河英雄伝説』より、フィクション世界のお寝坊さん代表であるヤン・ウェンリーを紹介したい。

自由惑星同盟と銀河帝国による、銀河を二分した戦争が続く時代に生を受けたヤン・ウェンリーは、同盟軍の士官学校で優等生のマルコム・ワイドボーンを戦闘シミュレーションで打ち破って以来、徐々に戦術家としての頭角をあらわしていく。さらには銀河帝国で覇道を突き進むラインハルト・フォン・ローエングラム(旧姓ミューゼル)が、唯一戦場で勝利しえない相手として、ライバル視されるほどの存在となる。

戦術家としては超優秀で、劇中でのエル・ファシル脱出作戦や第7次イゼルローン攻略戦の功績から「魔術師ヤン」、「ミラクルヤン」と世間からは評される彼だが、その生活力はお世辞にもほめられたものではない。
自身が司令官を務める、同盟軍第13艦隊の結成式に寝坊で遅刻したエピソードを筆頭に、ヤンのものぐさな一面を象徴するシーンは、作中数えきれないほど登場する。
そんなヤンの生活無能力者ぶりと戦場での知略とのギャップが、彼の魅力をいっそう引き立てているのだが、周囲からは「生活無能力者」、「首から下は不要な人間」などなど、さんざんないわれようである。

道原かつみが手がけたマンガ版『銀英伝』は、原作のストーリーを踏襲しつつ、同盟軍のローゼンリッター連隊のゼフリン、クラフト、クローネカーや、パイロットのオリビエ・ポプランと戦闘艇の撃墜数を競うシェイクリ、ヒューズなど、原作ではあまりスポットが当たることのなかった、でも名前のついたキャラクターへの設定の追加などといった小さなアレンジの積み重ねにより、『銀英伝』世界により広がりを持たせている。

『銀河英雄伝説』と『銀河英雄伝説 英雄たちの肖像』で、現在連載中の藤崎竜版がまだ至っていないアスターテ会戦からバーミリオン会戦までが描かれているため、本作で予習をしたうえで、藤崎竜版『銀英伝』がどのようなアプローチで銀河の歴史をマンガ化していくのか、期待に胸躍らせるのも一興だ。



<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
Twitter:@gakuton

単行本情報

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