日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『アルスラーン戦記』
『アルスラーン戦記』第4巻
田中芳樹(作) 荒川弘(画) 講談社 ¥429+税
(2015年10月9日発売)
「週刊ヤングジャンプ」にて、『封神演義』の藤崎竜による『銀河英雄伝説』の新コミカライズがスタートするなど、田中芳樹作品への注目度がふたたび高まりつつある昨今。
その流れに先鞭をつけたタイトルのひとつである、『鋼の錬金術師』、『銀の匙』の荒川弘による『アルスラーン戦記』のコミカライズ、ファン待望の最新巻が、ついに登場だ。
初陣にして、自国の軍が歴史的な敗北を喫し、一夜にして戻る場所を失った亡国の王子・アルスラーン。
逃げ延びる最中に、ダリューン、ナルサス、エラム、ギーヴ、ファランギースと一騎当千の仲間を得たものの、いまだ王都奪還への道は遠く、一行はさらなる戦力を求めて、カシャーン城塞へと足を進める。
城塞の主・ホディールから歓待を受け、ひとときの安らぎを得るアルスラーンたちだが、その影では姑息な陰謀が蠢いていた。
みごとな機転で窮地を乗り切る王子だったが、その先に、彼の掲げた理想の困難さを痛感させるできごとが……。
一方、敵将・ヒルメスは、アルスラーンへの憎悪をさらに募らせ、暗躍する。
彼のもとにも新たな戦力が加わり、また、周囲の事情も大きな動きを見せる。
ますますスケールと勢いを増していく大河のようなストーリー。今年4月からオンエアされた第1期に続く、TVアニメ第2期の制作も決定しており、さらに作品が盛り上がることは必至だ。
「突撃(ヤシャスィーン)!」の勢いにとり残されることなかれ!
<文・後川永>
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」(KADOKAWA)、「Febri」(一迅社)など。
Twitter:@atokawa_ei