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『このマンガがすごい!comics ぼくは明日、昨日のきみとデートする』 第2巻 七月隆文(作) 大谷紀子(画) 【日刊マンガガイド】

2016/12/08


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』


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『このマンガがすごい!comics ぼくは明日、昨日のきみとデートする』 第2巻
七月隆文(作) 大谷紀子(画) 宝島社 ¥640+税
(2016年12月8日発売)


12月17日から映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』が公開される。その原作小説のコミカライズだ。
見てのとおり、タイトルが一番のネタバレ、という変わった作品。
とはいえこの程度のバレでは揺るがないくらい、とことん丁寧に「2人でデートしている瞬間」を描いている。

20歳の青年・南山高寿(たかとし)は、電車の中で福寿愛美(ふくじゅ・えみ)に出会う。
一目ぼれした。
自分の行動が大それたことだと思いながら、追いかける。混乱しながらも、声をかける。
一目ぼれしたこと、直感が自分に走ったことを誠心誠意伝える高寿。
「また会える?」と聞いた高寿の声を聞き、愛美は涙を抑えられなくなり、初めての出会いなのに彼を抱きしめた。

2人は毎日会うようになった。
彼女は携帯電話を持っていない。門限と電話は0時まで。

話しているうちに、愛美の言動に違和感を覚え始める。
彼女はなぜか、高寿の未来のことを知っているのだ。
その原因を、愛美は話し始める――。

SF的要素を含みつつ、物語は進行していく。
だがそれは、あくまでもディテールのひとつ。
テーマになっているのは、恋人といる一瞬がどれほど貴重か、ということだ。

たとえばマンガ内では、いっしょに甘いものを食べるシーンが描かれる。
ただ、それだけだ。
しかし高寿にとって、じっくり何にするか選ぶ時間を共有し、おいしそうに食べる愛美の姿を見られることは、最高の幸せだ。
商店街のおいしかったピザにやたらこだわる彼女の姿も、見ていてとてもおもしろい。
自分の部屋のかたづけにやってきた愛美が、髪の毛をしばるしぐさに、すごくときめく。

「恋人っていうのは特別で
 でもそれは本人たち以外には全然そうじゃないもので……
 だけどぼくたちは本当に特別っていっていいんじゃないだろうか」

2人の間に起きているのは、かなり特別な出来事。
でも2人がしているのは、ごく普通のこと。
その「普通」が、どれだけ「特別」なのか。

2巻では、何が起きているかの種明かしがされている。
愛美はとても泣き虫だ。
なぜ泣くのかは、2回目読んだ時に、痛感できる。
次巻以降、何をやってもせつなくなるはずだ。

一緒にいる時間を悲しむのか、めいっぱい楽しむのか。 一瞬一瞬がすべて、かけがえのないものになっていく。



【映画予告】




<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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